ニッタ、製本ライン用ベルトのエンドレス工具[接着剤不要のエコ工具]
ニッタ(株)(本社/大阪市浪速区)が提供するエンドレス工具は、接着剤不要でエンドレス可能な「エコ工具」。SDGsが注目される中、サステナブルな工具として注目される。
同社の印刷機・製本ライン用ベルト「ポリスプリント・シリーズ」は、多くの印刷機メーカー・製本機メーカーのラインに組み込まれており、耐摩耗性の高さや搬送精度の高さ、長寿命などで印刷・製本ラインの生産性向上に貢献している。「ポリスプリント・シリーズ」は、印刷機用のベルトとして耐摩耗性と高い搬送精度、長寿命などを特徴とする各種ベルトをラインアップしており、グラビア輪転印刷機の加速部やデリバリ部、オフセット枚葉印刷機の枚葉フィーダー部、オフセット輪転印刷機の折り胴部やチョッパー折り部に使用されている。
また、製本ライン用ベルトとしては、紙搬送に適した摩擦係数、搬送物を傷つけないソフトな表面布、フィンガー継手、寸法安定性などを特徴とする各種ベルトをラインアップ。中綴製本機の丁合部や供給部、突上部、デリバリ部、インフィード部、三方断裁機、スタッカー部、丁合機の垂直搬送部。紙折機のフィード部などに使用されている。
経験不要、いつでも、どこでも簡単エンドレス
そして、これらのベルトが突然切断した際、経験がなくても現場で簡単にエンドレス作業が行えるのが、同社が「エコ工具」として推奨するエンドレス工具だ。接着剤が不要のため、昨今のSDGsにも貢献する。作業手順も至って簡単で、温度と圧力をかけて「ホット(加熱)プレス」により接着する。所用時間は10分程度である。
なお、このエンドレス工具には、フィンガーパンチャー、フィンガー継手用ホット(加熱)プレス、クーリング(冷却)プレス、プリセッタ、クランプ金具(2個)、専用ケースがセットされている。
作業手順
エンドレスを行う場合、まず、ベルトの長さを確認した上で、フィンガーパンチャーにより継ぎ手を製作する。この際、注意すべき点はベルトが曲がらないようにベルトを左端に沿わせることのみである。あとはレバーを下ろせば、一発打抜きで簡単・確実にフィンガー継手を製作できる。
次に使うのがプリセッタ。これはプレスする際、ベルトが曲がらないように仮固定するための道具。このエンドレス工具では、ベルト内の「ウレタン」を熱で溶かすことで接着させるため、プリセッタで固定したら、継ぎ手に隙間ができないように突き合わせるのがポイントである。
クランプ金具でプリセッタの左右を固定したら、次にエンドレス温度を高めておいたホット(加熱)プレスによる加熱に入る。プリセッタ全体に均一に圧力が掛かるように、奥までしっかりと挟み込む(約4分間)。
時間が経ったら、次はクーリング冷却プレスによる冷却である。これも同様にプリセッタ全体に均一に圧力が掛かるように挟み込む(約5分間)。
以上でエンドレス作業は完了。この間、およそ10数分。製本ラインの再稼働が可能になる。