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べーヴェシステックジャパン、日本市場向けの新型中速インサータ開発

ブランド名は「ECO-DRIVER」、5月24-26日に本社でお披露目会

安定の封かん品質とこだわりのグリップアーム、筐体サイズも日本人向け

 新開発の中速インサータのブランド名は「ECO-DRIVER」。エコフレンドリー、エコノミー、エコロジーなど、ユーザーのエコ(省エネ、経済的コスト)を強力に推進したいとの思いから命名した。「FUSION」と同一のカラーリングで、べーヴェシステックブランド製品のイメージを踏襲している。

 今回、国内ユーザーの声を反映させ、新開発した最大のポイントは、封筒のフラップに水を付け封かんする機構部分の駆動を独立させたことだ。新谷社長は「従来のインサータは、何らかのトラブルでエラー停止したとき、フラップに水が付いた状態でストップしてしまう機構で、停止時間が長いと水が乾いてしまい、しっかりと封かんできずに不良品が発生するリスクがあった。これを防ぐため、新製品では封入部分と封かん部分を別の駆動にし、封入部分側が停止しても、封かん部分では封筒は滞留せずそのまま出口まで流れる機構としこの問題を解決した。これにより、安定した封かん品質を実現している」と説明する。

 また、筐体のサイズは日本人の身長でも使いやすいように小型化を実現。「グリップアーム式インサータには表側からのオペレーションと裏側のオペレーションがある。一般的な高さの場合、背が低いと手が届かないため裏側に回ったり、もしくは2人のオペレーターが必要になる。機械高さを低くしたことにより、オペレーターは1人でも作業しやすくなり、省人化にも貢献できる」と説明する。なお、封入封かん機ベース部分の幅は約930mm、長さは約3,000mmとなっている。

 そして、特筆すべきなのは「こだわりのグリップアーム」だ。ワークを掴んで引き出し、搬送部で離す「グリップアーム」は日本人が好んで使う機構だが、従来のインサータは、グリッパーの開閉する「くちばし」の部分は下側のくちばしが固定で、上が開閉する。この場合、掴む対象物に厚みがある場合、下のくちばしが固定のため対象物に当たってしまう。これを解決するため、現場ではガイドの位置を同封物の厚みに応じて調整するという作業が必要になっていた。

 その点、同社の「ECO-DRIVER」はグリッパーのくちばしの上側を固定し、くちばしの下側を開閉するように設計することで、この問題を解決している。「ガイドの位置を調整することなく、厚みのあるカタログや冊子なども掴むことができるようになった」(新谷社長)。

省エネに優れ、メンテナンス性、販売価格でも競争力を強化

 さらに、省エネに優れていることも見逃せないポイントである。メインのモーターには、入手が容易でかつ「省エネ」モーターを採用。新谷社長は「モーターは種類によっては市場で調達が困難なものもあり、納期にも影響が出る。入手が容易でかつ消費電力の低いモーターを採用することで、省エネだけでなく、注文していただいたユーザーに少しでも早く製品をお届けすることができる」と話す。

 また、「ECO-DRIVER」では、バキュームポンプは搭載せず、代わりにコンプレッサーエアーを使用し負圧を作り出している。「バキュームポンプは常に回りっぱなしで消費電力が大きくなりがちなため、コンプレッサーエアーを使用した負圧を利用することで、より省エネに貢献できる」と話す。

 さらに、メンテナンス性に優れていることも特徴で、インサータ内部の駆動部分は可能な限りシンプルにしている。これにより、何か部品を付け外しするときも手が入りやすいようになっており、修理やメンテナンスが容易に行えるように設計されている。

日本のユーザーに安心のサービスを提供。お披露目会で実機をデモ

 同社が今回、日本向けの中速インサータを開発した背景には、同社のメーカーとしての思いだけでなく、ユーザーからの強い要望があったことも背景にあるという。新谷社長は、「高速機のFUSIONを設備する当社のユーザーのほとんどは、別途で他社メーカーの中速機も設備している。ユーザーからは当社の保守メンテナンス体制を高く評価していただいており、『中速機も開発して欲しい』という国内ユーザーからの声は以前から多くいただいていた」と説明する。

 日本の企業が海外メーカーの製品を導入する場合、どの業界でも共通の心配事であるのが、部品供給やメンテナンスなどのサービスであるが、同社では東京本社をはじめ、埼玉、名古屋、大阪にパーツセンターを備えており、常に部品を確保しており、ユーザーに安心感を与えている。「万が一の場合も、各地のパーツセンターと40名の技術部員により、迅速にパーツを提供できる」(新谷社長)。

 日本法人の設立から26年目となり、同社が3年後の目標に掲げているのは30億円の売上であるという。新谷社長は「20数億円の売上の年が多いのだが、過去に2回だけ30億円を超えたことがあった。来年からは年間10台のECO-DRIVERの販売を目指し、これも柱の1つとして目標を達成していきたい」と話す。

 本社ショールームにおいて5月24日〜26日まで開催されるお披露目会では、満を持して登場となった「ECO-DRIVER」の実機によるデモンストレーションが行われる。同社では1人でも多く入場できる体制を整えていくようで、多数の来場が予測される。

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