ピツニーボウズジャパン、「様々な帳票」に対応する汎用性に優れた卓上型インサーター提供
DMに初めて取り組む企業も安心の操作性
100年以上の歴史を有する米国・ピツニーボウズ社。郵便料金計器を世界で初めて発明し、発送業務ソリューションを世界100ヵ国、150万社以上に提供するポスタル業界を代表するメーカーの1つだ。日本市場においても、1952年に郵政省の認可を得て70年以上の歴史を持つ。1981年より、同社製品を国内市場に提供するピツニーボウズジャパン(株)(本社/東京都品川区、田邉卓也社長)は、世界中で愛用されるピツニーボウズ社のインサーターを自治体やヘルスケア、金融、官公庁など様々な業界に提供してきた。2018年からはインサーターについては「卓上型」に特化し、これまで培ってきたバーティカルビジネスのソリューションを提供することで、印刷業界にDMによる事業領域拡大を提案している。
ピツニーボウズ社は2018年、大型インサーターのDMT事業部を売却し、インサーターについては「卓上型」に特化したメーカーとして新たなスタートを切った。小型ながらも汎用性に優れ、小ロット・多品種の「様々な帳票」に対応できることを強みとしており、国内市場においてもコロナ禍の中、ユーザーを増やしている。
とくに、自治体が採用するケースは顕著に増加しており、ピツニーボウズジャパンのSending Technologyソリューションズ営業本部の楢原幸弘統括本部長は「印刷業界ではまだまだ足りないが、自治体では知らないところはほぼないと言えるほど知名度は向上した」と話す。また昨今の傾向として、自治体が発送業務を外部にアウトソーシングするケースも増えているようで、地場の印刷会社の新たなビジネスとして需要が拡大しているという。楢原統括本部長は「とくに人口1万人〜20万人程度の地方自治体が行う印刷会社への外注案件の場合、当社の卓上型インサーターがベストマッチするため、引き合いが増えている」と説明する。人口100万人以上の大都市などの場合は大型インサーターが必要になるため、同社の取扱いレンジではないが、楢原統括本部長は「大型機を扱う受託・印刷会社においても、バックアップ機・小ロット多品種向けに2台目として卓上型インサーターを納入するケースはある」としている。
同社の卓上型インサーターは、小型ながらも汎用性に優れており、「様々な帳票」に柔軟に対応できるため、パーソナライズ化で小ロット・多品種の傾向が進む昨今のDM市場に適した機種となる。価格も大型機と比べると安価なため、DMビジネスは初めてという印刷会社でも導入しやすいモデルと言えるだろう。
「ハイブリッドDX」でDM発送業務の効率化に貢献
同社が提供する郵便発送ソリューションのポリシーは「無駄な時間に終止符を」である。これを実現するため、同社が日本市場特有のニーズに応え、デジタルとアナログの両方に対応するものとして打ち出しているのが「ハイブリッドDX」というコンセプトだ。これは、デジタル化による業務の効率化と紙ベースでのやりとりを融合させた、現代社会にマッチングするソリューション。企業や自治体、各種団体では、日々の業務の中で対外的に発送する書類や郵便物が大量に発生するが、同社では提供するサービスによって、封入や送付先の名寄せなど、従来は手作業で行われてきたプロセスを自動化することで、物理的な発送作業の効率化と正確性向上に大きく寄与している。
インサーター(封入・封緘機)というと、どちらかというとアナログ的なイメージを持たれることが多いようだが、同社のインサーターシステムは、「インサーター処理用に帳票を加工するソフトウェア」と「加工された帳票を読み取りながら正確に封入封緘するハードウェア」がデジタル技術を通じて繋がっている。デジタルとアナログの融合がインテリジェントな環境を生み出している。楢原統括本部長は「ソフトウェアの効果を最大限に発揮させるべく、最適なハードウェアをぶら下げているというイメージ。ハードとソフトの最適な組み合わせでトータルソリューションとしての価値の最大化を目指している」と説明する。そして、そこに同社が得意とする業種ごとのノウハウを活用したソリューション構築のコンサルティングを加え、郵便料金計器からインサーター、シッピングまでの「発送」の一連の流れについて、最適な効率化ソリューションを提供している。
同社のコンサルティングチームでは、発送物をどのように並び替えていけば、効率化につながるかなどの最適な「帳票設計」を提案することが可能。実際にコンサルティングを行っているカスタマーサービス本部 ソリューションエンジニアリング部の奥晃尚部長は「求めていたのはまさにこれ!とユーザーから満足の声をいただくことも多い。ユーザーに満足していただけるような多くのノウハウを持っている」としており、コンサルティングスキルの高さについては競合に負けない自信を持っているようだ。
また、代理店経由の販売の場合も、「ピツニーボウズがコンサルティングサービスを行い、同様の導入支援を行なっているので安心していただきたい」(楢原統括本部長)。さらに、同社のコンサルティングサービスは、導入前だけでなく、導入後も継続的に支援していることが特徴。楢原統括本部長は「新たな受注案件がある場合など、増台や上位機種への切り替え、案件によって追加で必要になる帳票設計の相談に乗るなど、継続的にコンサルティングサービスを続けている」(楢原氏)。そして、これが信頼につながり、結果的にユーザーの心を掴んでいるようだ。
