FFGS、高生産性と汎用性でバリアブルDM制作サポート[FormMagic5.1リリース]
紙DM制作の効率化機能追加〜原稿データを効率的にチェック
DM制作の現課題に着目
「FormMagic」は2003年の発売以来、印刷会社の高度な要望に応えながらバージョンアップを重ね、現在800本の導入実績を持つ。今回発売した最新バージョン5.1では、DM制作の現課題に着目し、これまでの機能を継承しながら、バリアブルDM制作の効率化を実現する機能を新たに追加している。その背景について小林課長は次のように語っている。
「バージョン5のリリースは2020年3月だったので、ちょうどパンデミックの直前。それ以降、販促DMの需要が高まった。我々は、生産性と汎用性のそれぞれについて強化してきた。しかし、いざDMを使っているユーザーの声を聞くと、単に宛名、画像を貼り込む機能だけでなく、その前後に様々な作業があることが分かった。今回のV5・1では、そこの機能を強化している」
▽入稿された原稿データの効率的なチェックが可能
原稿データに必要な項目が揃っているか、外字が含まれているか、文字量は多すぎないか─など、多くの印刷会社は入稿直後に原稿データをチェックしている。あるいはボリュームが少なければPDFで全品目視検査しているという現状が分かった。そこで今回、バリアブル処理の前に、原稿データが適正かどうかを効率的にチェックできる機能を追加している。

▽ナーバスな外字の取り扱いを簡素化
大量のDM制作において最も注意が必要なのが、外字の取り扱い。例えば、自治体からDMを請け負う印刷会社では、発送先リストとともに「外字ファイル」が入稿されてくるという。この外字ファイルは自治体ごとに仕様が異なるため、専用スタッフによるチェック作業が発生し、属人的な仕事になっている。そこでFormMagic5.1では、専用ソフトでなければ閲覧できなかった外字の文字デザインやコードを一覧で確認でき、簡単操作でインストールできるようになった。

▽郵便番号ごとのバルク仕分けに対応
DMを郵便番号ごとに仕分けて結束することを「バルク仕分け」と言う。2,000通以上のDMを一度に送る場合、このバルク仕分けを行うことで郵便料金の割引が適用される。クライアントがDMにかける費用のおよそ半分が発送料金であることから、DM制作では必須の作業となっている。FormMagic5.1では、入稿データをバルク仕分け向けに自動変換する機能を追加。これにより、データベースソフトでの情報処理が必要だったバルク仕分けが、スキルレスで対応できるようになった。
「これら3つの機能については、DM印刷を大量に受託している一部の印刷会社では、自社で仕組みを構築している。我々は『新規事業としてDM印刷にトライしたい』、あるいは『DM印刷を強化したい』という印刷会社をサポートするため、これらの機能を追加した」(佐々木部長)
なお、これらの他にも、面付けトンボの外に、顧客情報を文字・バーコードで付加することでバリアブル印刷物の検品を効率的かつ高精度に行うことができる機能の追加や、Morisawa FontsやAdobe Fontsなど、ユーザーごとにライセンスが付与されるフォントの印字が可能になっている。
一般企業でもFormMagicを活用
現在800本の導入実績を誇るFormMagicだが、その中からユニークな活用事例を紹介する。
DMの制作から発送までを一貫して手がけるチャンスメーカー(株)(本社/福井県坂井市坂井町福島8、平林満社長)は、小ロット・短納期対応のための生産工程自動化の一環として約8年前にFormMagicを採用。DM専門サイト「DMクラスター」のバックヤードでFormMagicを稼働させ、1部からの受注をはじめ、独自開発の仕分けシステムとの組み合わせで、「オーダーから最短5時間で発送」という超短納期を実現している。
また、「ベストなタイミングでDMを送りたい」というクライアントのニーズに対し、例えば企業が顧客に送るバースデーDMでは、誕生月にDMが届くように発送していたものを、1人ひとりの誕生日の前日に届けるという試みで来客・購買率を高めることに成功している。
さらにチャンスメーカーでは、「FormMagic5」で追加されたホットフォルダ機能を活用。データを指定のフォルダに入れるだけで、自動で組版・出力できるため、出力作業の時間短縮に大きく貢献しているという。
一方、FormMagicは一般企業でも活用されている。富山県の自動車販売会社、ネッツトヨタ富山(株)(本社/富山市新庄本町3-3-33、笹山泰治社長)では、名刺やDMなどにFormMagicを活用し、制作のスピードアップを図るとともに、より効果的なプロモーションを実現している。
FormMagicのバリアブル機能を効果的に活かしている例として、新車を購入した顧客に送る「購入御礼DM」がある。表紙には購入された車種の写真を入れ、ナンバープレートの部分には、各購入者の実際の登録ナンバーをイメージバリアブルで組み合わせることでサプライズ感を演出している。
また、「タイヤ交換サービス」の利用者向けには、現在のタイヤの溝の状態(残量)を知らせるDMを個別に送付。当然、溝の状態は個々の車によって異なり、必要に応じて買い替えの案内なども挿入するため、ここでもバリアブル機能が活かされている。
DM事業を印刷会社の強みに
FormMagicは、高度な自動組版機能を持つプロフェッショナル向けのバリアブル印刷ソフトと位置付けされる。小林課長は「ある特定の仕事だけを行うのであれば、機能を限定した安価なソフトでも対応可能だが、クライアントの要望に沿った仕事を請け負うという印刷会社の事業において、その幅を広く持たないと強みにならない。また、FormMagicなら、繁忙期でも高生産性を武器に何万件というDMを請け負える。これが印刷会社としての強みになる」とし、FormMagicの優位性、価値を改めて強調している。
今後の販促活動について佐々木部長は、「時を同じくしてリリースされた『Revoria Press PC1120』用圧着トナーとパーソナライズされたデータを作成するFormMagicの親和性は高い。今後は、これらをセットにしてDMの市場を喚起できればと考えている」と話す。
さらに、今年のpage2023でも訴求した「キュリア」+「FormMagic」を活用したWeb連動型バリアブルDMなど、ダイレクトマーケティング手法を絡めた提案も積極的に行っていく考えだ。
