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DMT Solutions Japan、Bell&Howell社のインサーター提供

スイングアームで業界最速、空気圧グリッパーで厚物封入も安心

3台分の仕事を1台で処理する高速インサーター「BLUECREST」

 一方、自社開発モデルのインサーター「BLUECREST」は、中速から高速まで、幅広いラインアップを取り揃えている。多機能高速モデルでは、定型封筒で2万4,000回転/時が可能である。2022年に「BLUECREST」を導入したユーザーは、これまでは他社メーカー製の3台のインサーターを活用していたが、昨年は1年間で1500万通の封入・封緘作業を「BLUECREST」1台で処理。これまで3台で処理していた仕事が1台でできたと、その生産性の高さに驚いているという。

 「従来、インサーター1台あたり平均3人ほどのオペレーターで対応してきた。3台だと9人の計算になるが、これをBLUECRESTで対応した場合、オペレーターは多くても5〜6人で済むため、3〜4人の人件費を削減できたことになる。さらに、残業時間も削減できたと効果を感じていただいている」(黒山事業開発部長)

 また、「BLUECREST」も「堅牢性」を強みとしており、サービス部に連絡が入ることがあっても「壊れたから来て欲しいというのではなく、動かし方が分からないから来て欲しいという相談がほとんど」(宮本社長)ということだ。

独自技術「ファイルベース」で封入・封緘作業をモニターで監視

 また、DMT Solutionsは、ハードだけでなく、ソフトウェアでも競合メーカーにはないオリジナル技術を有している。ピツニーボウズDMT事業部の時代に開発したもので、封入・封緘作業をした後に「今回の作業に間違いはなかったか?」という不安を解消できる画期的な機能として推奨している。

 「ファイルベース」というこの機能は、封入作業において、封筒を1通単位で可視化することで、間違いのない封入を保証する。周辺機器とのネットワーク化により、封入・封緘作業の省力化、顧客要求へのタイムリーな情報提供にも活用できる。黒山事業開発部長は「発送物には単なる商業用DMだけでなく、納税通知や保険証券、カード会社の請求明細など、個人情報性の強いものもある。ファイルベースはオリジナルデータを活用し、封入・封緘するときに、データどおりに封入・封緘できているかモニターし、最終的にデータとして保管できる」と説明する。この機能を活用すれば、後封入のリスクを回避することができ、クライアントに「品質の確保」を約束することができる。アメリカでは、ほとんどのユーザーが採用しているということだ。

 ただ、クライアントからオリジナルのデータを提供してもらう必要があるため、日本ではなかなか採用が広がらないという。宮本社長は「日本でも、クライアントにこの先進的なソリューションをもっと積極的に提案していただきたい。それにより、日本のDM業界はさらに発展できると信じている」と呼び掛けている。

インサーターに「インクジェット」搭載し、封筒にダイレクト印字可能

 さらに、同社ではインサーターにインクジェット機能を搭載し、封入・封緘作業と同時に無地の封筒に宛名印字と内容物のキャッチコピーなどをダイレクト印字できるソリューションも提供している。事前に封筒に印刷する必要がないため封筒コストを抑えることができるほか、封筒の宛名と内容物の正確な一致を検品しながら封入するため、誤封入の心配もなく、DMに大きな付加価値を与えることができる。

 「窓封筒にA4用紙を三つ折りして封入する場合など、用紙の3分の1近くが宛名等の情報で埋まってしまう。封筒にダイレクト宛名印字することで、内容物に情報をより多く掲載することができる。また、窓封筒を使わないためビニールが不要で、SDGsにも貢献できる」(宮本社長)

 封筒の表面には個別のメッセージを印字できるため、DMの開封率アップにもつながり、生産性と品質を担保しながらDMとしての機能も向上させることができる革新的なソリューションと言えるだろう。


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封入・封緘作業と同時に封筒にダイレクト印字が可能


先進的なソリューションの提供で印刷業界の収益改善を提案

 紙の需要が減少する中、同社はグローバルに展開する企業として、海外の様々なソリューションや事例を日本市場に紹介し、広げていく考えだ。宮本社長は「インサーターを製造するだけでなく、先進的なソリューションを提供することも我々の強みと認識している。これまでにはないやり方を提案し、印刷会社の収益を上げる手助けをしていきたい」と話す。

 DMT Solutionsは、海外メーカーでありながらも、柔軟な経営姿勢で「日本」の状況に最適な手法を提案してくれるメーカーと言える。海外では普及しているが日本では採用されていないなど、同社が推奨する「新しい手法」を先行的に採用すれば、日本のDM市場において一歩先を行くビジネスが可能になるかも知れない。

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