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TBM、新素材「LIMEX」でサステナブルの第一歩を

紙・プラスチックの代替活用が可能〜資源保全・リサイクルを実現

3つの機能でサステナブルに貢献

 「LIMEX」の特徴をポイント別に分けると、「枯渇資源の保全」「すぐれた機能性」「モノからモノへのリサイクルが可能」の3つになる。

 まず「枯渇資源の保全」につながる特徴としては、紙の代替として使用した場合に、水という資源を大きく削減できることである。紙は製造過程で大量の水を使うが、「LIMEX Sheet」は製造工程で水を使わない。使用するのは工場の冷却水程度であるため、最終的に97%の水使用量を削減でき、水という資源を守ることができる。さらに、石灰石には樹脂が混ざっているため、森林資源を一切使用しないというところもポイントである。

 また、プラスチックと比べた場合、種類により削減効果に前後はあるが、一般的なポリプロピレンでは33%の減プラ効果がある。さらに、CO2も製造プロセス全体で削減できる。

 TBMは素材メーカーとして、宮城県に「LIMEX Sheet」を製造する2工場を構えているが、ここでは実質「100%再生可能エネルギー」「CO2排出係数ゼロ」の電力で製造している。さらに、地元である東北エリアの発電所を中心とした再生可能エネルギーを活用している。CO2を削減できるという観点から、我々は素材を提供して印刷会社などに加工してもらっているが、「LIMEX」の原料を作る時点から、自社努力にてCO2を削減するための取り組みを行なっている。

「訴求表示」のメッセージが載せられる素材

 環境効果に優れた販促物を製造しても、それを手にする消費者が認識できなければ、せっかくの企業努力が伝わっていかない。そこで「LIMEX」製の印刷物は、原料に石灰石を使用することで、具体的に環境にどのように良いのかを数値で可視化できる「訴求表示」や、一般的な紙と比較して削減できた水使用量を表示できるようになっている。例えば、「LIMEX」で冊子を制作した場合、TBMで水削減量を算出することができるので、従来の印刷物と比較して何リットルの水を削減できたかを冊子の裏側などに表示できる。

企業や自治体など、1万以上の事業所が「LIMEX」を採用

 「LIMEX」は、企業や自治体など、1万以上の事業所で採用されている。次にその導入事例の一部を紹介する。

 まず、東急グループが今月、新宿歌舞伎町に「109シネマズプレミアム新宿」をオープンしたが、そのコンセプトブックとショッパーに「LIMEX」が採用された。石油資源の削減と、CO2削減などの観点が評価されての採用になった。

 また、環境省が毎年発行する「冒険手帳」という冊子にも採用されている。日光国立公園で多く使用されているが、水資源の削減と、自然を守ることにつながるということで、継続的に採用されている。ちなみに、広告・販促物等でペーパーレスが進む中でも、商談資料としてのカタログ・リーフレットへの投資額は増加しているというデータもある。

 さらに、田中貴金属グループでは、2019年度から「LIMEX」を使用したCSR報告書を作成している。同社のCSR報告書制作責任者は、自身の経験として過去にCSR報告書を電子版にしたところ、回読率が低下したことがあったことから、冊子として毎年発行しているという。また発行においては、多くの人に資源循環の大切さを理解してもらいたいという思いもあり「LIMEX」を採用している。ちなみに同冊子では、裏面に「1冊で15リットルの水を守る」という環境効果が記載されている。

耐久性・耐水性など「機能性」を重視して採用する企業・自治体も

 「LIMEX」の「機能性」を選択基準にして採用している企業・自治体もある。「LIMEX」は石灰石と樹脂を原料としているため、耐久性と耐水性に強い。このため、メニュー表やPOPなどを中心に、紙ラミネート代替として採用する企業が増えている。また、石灰石が主原料のため、独特の質感、風合いがあることを評価するケースもある。高級感のある比較的マットで上質な質感となっているので、機会があれば、手に触れてみていただきたい。

 機能性を重視した事例では、吉野家が「LIMEX」の耐久性や耐水性を評価し、4年前からメニュー表に継続して採用している。店舗からも「手触り感が良い」「水に強く、汚れてもすぐに拭き取れる」など、良好な反応が得られている。

 また、山形市「蔵王トレッキングガイドマップ」では、持ち歩き用途のため耐久性と耐水性が必要ということに加えて、資源を守る環境性も加わり、相性が良いということから採用につながった。

 このほか、稲毛海浜公園プールでは、夏のイベントに使用するリストバンドを合成布から「LIMEX」に変更し、石油由来プラスチックの使用量削減を実現。また、(株)日本能率協会マネジメントセンターでは、「地球からつくったノート」として、「LIMEX」を表紙にしたノートを作成。KEYUCAは、機能性と環境性を評価し、こどもがお風呂で使う「お風呂ポスター」に「LIMEX」を採用。「石からできているんだよ」と知育に活用している人もいるという。

 また、合成紙の代替としては、昭文社が「山と高原地図のマップ」に採用。野外で使うマップとして欠かせない「耐水性と耐久性」に加えて、環境性も評価された。雨などに濡れても破れずに使用できると喜ばれている。さらに、大手カー用品店は、耐水性と耐久性が求められるプライスタグに採用。ホームセンターのDCMでは、種苗ラベルに採用している。

 そのほか、最近の事例としては、「ザ・ブルーハーツ」の名曲を「LIMEX」で絵本にした。中身・帯・表紙外装まで、「LIMEX」を使用している。

マテリアルリサイクルで資源循環。販促物にも「サステナブルな選択肢」を

 「LIMEX」は、モノからモノへのリサイクルが可能な素材であるが、回収された後、「どこでどのように循環されているのか?」が見えることも重要である。燃やさないリサイクル「マテリアルリサイクル」ができることも「LIMEX」の特徴である。

 TBMでは2022年、神奈川県横須賀市に国内最大級のリサイクルプラントを竣工した。「LIMEX」と汎用プラスチックを自動選別し、再生利用する世界初のプラントとなり、「LIMEX」だけでなく廃プラスチック全般をマテリアルリサイクルできる。

 プラントは企業と連携して稼働しているが、最近では、セブン&アイ・フードシステム「デニーズ」にて、使用済み「LIMEX」製のメニュー表を回収・再資源化し、同店で使用するトレーとして最製品化(アップサイクル)した。アドベンチャーワ--ルドにおいても同様に、使用済みの「LIMEX」製パークガイドをトレーとして最製品化し、パーク内のベーカリーや社員食堂などで使用している。

 さらに、横須賀市では来店促進の販促施策として、商品券やクーポンとして「LIMEX」を活用している。回収できるアイテムのため、資源循環がしやすい事例となっている。

 「LIMEX」を活用していただき、「サステナブル」を切り口にした販促物により、環境保全と企業経営に役立てていただければ幸いである。

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