キングコーポレーション、封筒から手提げ袋に変形する紙製手提げ袋「ペーパーバッグ」新発売
新商材「サーキューラーコットンペーパー」の取扱い開始
SDGsの取り組みを加速させる(株)キングコーポレーション(本社/名古屋市中区、棚橋俊仁社長)は、環境に配慮した新製品として紙製手提げ袋「ペーパーバッグ」(実用新案申請済み)を開発した。企業のセミナー資料などを入れる紙封筒にミシン目を入れており、終了後はその部分を折込んで手穴にし、手提げ袋にして持ち帰ることができる。ビニールでなく紙製のため、小ロット・名入れに対応できることも注目したいポイントだ。同商品を活用するだけで、企業は環境に配慮していることを手軽にアピールできる。
同社は、業界に先駆けて様々なSDGs関連の商品を製造・販売してきたが、「堂々とSDGs関連商品を販売できるようになりたい」(棚橋社長)との思いから、2022年1月に「SDGsポリシー」を作成してホームページで公開。自社の取り組みとしてもSDGsを積極的に推進しており、脱プラ・環境に優しい印刷・クリーンエネルギーの利用・効率的なリサイクル・わーくはぴねす農園事業に加えて、昨今はウォーターエイドジャパン、キッズドアにも貢献している。すでにSDGs17の目標のうち、14項目を達成。将来的にはすべての項目を埋めていきたい考えだ。
さらに2023年より、同社は繊維ゴミを資源として活用することを目的に活動を推進する一般社団法人「サーキュラーコットンファクトリー」に加盟し、繊維ゴミの配合率50%以上を達成した「サーキュラーコットンペーパー」の取り扱いを開始した。企画部の関英太郎氏は、「不要になった洋服を、循環させ資源に変えることができる画期的な商材。繊維ゴミの配合率が50%以上という、主原料になるところにも着目した」と話す。5月にインテックス大阪で開催される「JP2023・印刷DX展」に出展し、サーキュラーコットンペーパーを使用した封筒、名刺用紙、カレンダーなどの紙製品として商品化して紹介する予定だ。
「今すぐできるSDGs」の新たな切り札に
世間や企業の環境意識が高まる中、印刷会社でもSDGsやサステナブルに関心を持つ企業は増えている。関氏は「環境に取り組んでいるかどうかを取引先の選定基準にしている企業も増えていることを感じている。しかし、何から取り組めばいいのか分からないという印刷会社も少なくないのではないだろうか」と話す。そのような中、同社が「今すぐできるSDGs」として、印刷会社のSDGsをサポートするため、2022年に開発したのが「ペーパーホルダー」である。
同商品は、上質127・9g/平米と紙が厚めで丈夫であり、オフセットやPODとの相性も良く、A4サイズ以上の用紙に対応した複合機にも対応しているため、印刷会社を中心に販売数量が急増している。棚橋社長も「一押しの製品」とお薦めする自信作だ。クリアホルダーと同じサイズのL字型の紙ファイルとなっており、トレーシングペーパーにより中身が透ける半透明タイプと、FSC認証紙を使用したホワイトCOCの2種類を用意している。
そして本年、印刷会社のSDGsをサポートする新たな切り札として誕生したのが、光文堂新春機材展「PrintDoors2023」で参考出品した「ペーパーバッグ」である。関氏は「大反響をいただくことができ、用意したサンプルはすぐになくなった。『今すぐ欲しい』という声を多くいただいたことから急いで商品化した。ありそうでなかった製品ではないか」と今後の販売に自信を見せている。
「ペーパーバッグ」のサイズは240×375mmで、A4の「ペーパーホルダー」も入れることができる。封筒として使用した後は、フラップと手穴を折込むことで、強度を確保した手提げ袋に変形する。さらに、規則的な波形よりも手にやさしい「てきとうウェーブ加工」が施されている。対応サイズの複合機やプリンターを持っていれば、小ロットでの可変印刷も可能である。ミシン目には5ヵ所のつなぎが入っており、プリント詰まりを回避することができる。関氏は「ペーパーホルダーと同様、対応サイズのプリンターをお持ちでない場合、当社にお任せしていただければ、高品質な印刷の受注から対応している」と話す。

ゴミとして焼却する時のCO2排出量はプラスチックの約5分の1。FSC認証紙を使用しており、印刷会社のSDGsに大きく貢献する。さらに同社では、スマホカメラをかざすことで、見本がなくても、どのような商品かが分かる「3D VIEWER」も用意している(写真)。これを利用すれば、印刷会社が自社の「営業ツール」としてペーパーバッグを提案する場合にも大きな手助けとなりそうだ。
顧客に選ばれ続けるメーカーを目指して
同社は、今後も脱プラに貢献する紙製品を開発するとともに、様々な環境対応素材にも注目しながら印刷業界のSDGsをサポートしていきたい考えで、棚橋社長は「これにより、顧客に選ばれ続けるメーカーを目指したい」と展望する。
まずは、5月のJP2023・印刷DX展で発表するという新製品に期待したい。
