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富士包装紙器、パッケージデータの完全自動検版を実現

[アビッド・フレックス「Package Compare KIT」導入]
次工程への信頼性向上と属人化を排除、紙出力不要で環境負荷低減も

 レンゴーグループの富士包装紙器(株)(本社工場/滋賀県蒲生郡日野町北脇 日野第二工業団地5-2、窪田尚広社長)は今年5月、パッケージデータのフルオート検版による次工程へのスムーズな連携とデータの信頼性向上などを目的に、アビッド・フレックスがIGAS2022で発表したパッケージデータの完全自動検版ソフト「Package Compare KIT(パッケージ コンペア キット)」の第1号を導入した。スキル不要で誰でも簡単に検版が可能になったことから、属人化を排除するとともに、検版のために紙出力する必要もなくなり、環境負荷軽減という観点からも効果を発揮している。


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左から 坂本取締役、瀬田工場長、野原課長


業界トップクラスの設備で、レンゴーグループのパッケージ事業を担う

 同社は1924年10月、大阪市南区において創業。来年、創業100周年を迎える。当初は貼り箱を主体に事業展開していたが、クライアントニーズに対応しながら業容を拡大。現在の紙器に特化した企業への変貌を遂げた。

 ターニングポイントは平成元年。本社工場を大阪市から現在の日野工場に移転したことだ。新工場の竣工と合わせ、同社は最新鋭の印刷機や抜きの設備を導入。「関西紙器業界に、富士包装紙器あり」とその名を轟かせ、2014年にはレンゴーのグループ企業となった。窪田社長は、「レンゴーグループはヘキサゴン経営を推進しており、重包装・板紙・段ボール・紙器・軟包装・海外の6つの事業を展開している。46社のグループ企業の中、6社ほどの紙器工場があるが、当社ほどの設備を持ち合わせている企業はない」と、業界トップクラスの紙器生産工場であることを強調する。


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本社工場外観

 窪田社長は、社長に就任後の7年間で設備投資を積極的に展開。2018年にもパッケージの生産性を大幅に向上させる最新鋭の印刷機、抜きやグルアーなどを設備したが、2024年も新たに印刷機を導入する計画だ。「レンゴーグループのパッケージ事業は当社が重責を担っているとの認識で今後も設備投資を進めていきたい」と窪田社長は話す。

中学生の野球チーム「近江ボーイズ」に無償でグラウンドを提供

 同社は日野工場を竣工した際、野球用のグラウンドを敷地内に造設。社会貢献の一環として、地元中学生のボーイズリーグ「近江ボーイズ」に無償でグラウンドを提供している。スコアボードもあり、練習試合もできる本格的なグラウンドである。毎週のように練習に使用されている。卒団生からは、これまでに2名がプロ野球選手になっているようだ。


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「近江ボーイズ」が毎週練習している野球場

 そして、特筆すべきは近江ボーイズの総監督は同社の営業本部長が務めており、2年前には卒団生が同社に入社してきたということだ。「総監督から父兄に話をしてもらい、入社してくれたことは非常に嬉しかった」(窪田社長)。卒団生は3年間、同社本社工場を見上げながら汗を流してきたわけである。その卒団生にとっては、地元に社会貢献する同社に感謝の気持ちがあったのかも知れない。窪田社長は「2年後にはもう1人、卒団生に入社してきて欲しいと計画している」としており、今後も近江ボーイズへのグラウンドの無償提供は続けていく考えだ。

 また、窪田社長はグラウンドを活用し、日野工業団地の企業の運動会を開催したい意向も示している。「実は、数年前に計画していたことがあるのだが、コロナ禍になり実施できずに終わっていた。日野工業団地には32社の企業が入っているので、企業対抗戦ができれば面白い。普段の仕事では見えない、同僚や上司の素顔が見えて楽しい催しになるはず」とコロナ禍も収束した現在、実現に向けて再び検討を進めたいと話している。

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