広瀬鉄工、コーター+折り+圧着をインラインで[UVニス圧着DMシステム]
広瀬鉄工(株)(本社/大阪市東成区、広瀬安宏社長)がIGAS2022でも展示実演した「SAC-18DM」が、小ロット多品種時代のUVニス圧着DMシステムとして市場から高い評価を得ている。
印刷物にニスコーティングを行うメリットとしては、光沢度の向上や表面保護などが挙げられるが、昨今ではUV・水性圧着ハガキや感染防止のための抗菌、抗ウイルスニスコーティングなど、その需要は多様化しており、オフセット印刷分野ではインライン方式のニスコーティングマシンが普及する一方、デジタル印刷機分野ではオフラインコーターがその真価を発揮している。
100年以上の社歴を誇る同社は、印刷や表面光沢、とくにUV乾燥によるニスコーティング分野の製品開発で知られ、その販売実績は300台を超える。その「HIROSE」ブランドから生まれた菊四裁フレキソUVコーティングマシン「SAC-18」は、アルバムやPOD、圧着DM向けオフライン小型コーターの「スタンダード機」としての実績を積み上げている。
同機の最大の特徴は、印刷機と同様の構造から生まれる高い精度にある。セラミックアニロックスを使ったドクターチャンバー方式を採用することで、フレキソコーターの最大の特徴である定量、均一、平滑なコーティングを実現。とくに圧着ハガキでその性能が発揮される。また、アニロックスとドクターはシンプル設計によって簡単に交換可能だ。
一方、デリバリー部にはUV照射時にも安定した用紙搬送を実現するロングチェーンデリバリ方式を採用。これにより高速安定性を確保し、しっかりと咥えられた用紙が通過するため、ネットコンベアーで起こりがちなジャミングによる火災事故などの報告も一切なく、純日本国産の設計と技術で完成させた安心・安定稼働を市場に提供している。
さらに高い見当精度を実現する対向コロ引き見当装置を採用することで、位置精度の高いスポットコーティングを実現している。
この小型フレキソコーティングマシン「SAC-18」に折機と圧着機をドッキングさせたのが「SAC-18DM」である。Ⅴ折Z折ハガキからA4仕上V折圧着までをこなすワイドレンジの圧着DM一貫製造インラインマシンで、システムとしての生産性は3,000〜6,000枚/時。さらに生産性が必要な場合は、折りの前に簡易フィーダーをオプション装備することで、コーターと折り+圧着をオフラインに切り換えることも可能。V折なら折り+圧着で1万枚/時程度まで生産性を高めることができ、このような汎用性を持たせた仕様での納入も増えているという。
同社では「オフセット印刷、オンデマンドデジタル印刷を問わず、付加価値を高める『オール国産技術』の集大成」としており、この圧着DM一貫製造インラインマシンは、コロナ禍における「新たな事業領域」として注目されるDM市場で、その「存在感」を高めている。
「HIROSEの独自技術の融合によってデジタル印刷のポストプレス分野に圧着ハガキというパワフルで訴求力のあるツールを提供することで、付加価値向上への貢献度を高めていきたい」(廣瀬社長)
