メイセイプリント、両面宛名印字機2号機導入
圧着加工機には異種混入防止カメラを搭載
印刷会社の仲間専門で圧着ハガキの印刷から宛名印字、圧着加工、投函までをワンストップサービスで提供する(株)メイセイプリント(本社/愛知県北名古屋市、渡辺達也社長)は2023年12月、最大の強みとする両面宛名印字機の2号機を導入した。2台体制にすることで、単純に生産性が2倍になるだけでなく、待ち時間などの無駄が削減され、現場作業の大幅な効率化を実現した。また、同時にニス圧着加工機3台に異種混入防止カメラを搭載。これにより、表面印刷データが共通で、中面印刷データが異なるDMの混入トラブルを防止できるようになり、印刷会社は従来以上に安心して同社に両面宛名印字を含めたDMを発注できるようになった。
同社は2023年6月、30周年を迎えた。本社営業課の田中尚課長は「この佳節を機に、もう一度原点に立ち返り、顧客からの信頼を高めていこうとの方針が打ち出された」と説明する。今回の両面宛名印字機の増設と圧着加工機への異種混入防止カメラ搭載も、その方針の一貫によるものだ。
また一方、同社が運営する圧着DM専門の通販サイト「圧着Dm.net(https://acchaku-dm.net)では、品質と別注商品で差別化を展開しており、特殊な問い合わせにも丁寧に対応することで、顧客の信頼を高める取り組みを進めている。同サイトでも、本体のメイセイプリントで得意としている両面宛名印字の受注を増やしていくため、WEBページの更新を進めているということだ。
高まる両面可変印字の需要に対応
同一内容のDMを大量にばら撒くという手法はすでに過去の話で、近年では、よりパーソナライズ化したDMの需要がますます高まっている。田中課長は「その傾向はさらに顕著になっていると実感している。コロナ禍で失った仕事は戻ってこない。印刷会社の営業の方には、パーソナライズ化された情報を印字できる効果的な両面可変印字のDMをクライアントに提案していただき、その仕事を当社に依頼していただきたい」と呼び掛けている。
繁忙期でも余裕を持ったキャパで対応可能に
同社が受注する可変印字の案件は、片面/両面を含めて5,000〜5万通のロットが中心。従来はこれらの受注に1台の両面宛名印字機で対応してきたが、田中課長は「1台では限界があり、繁忙期に納期が重なったりすると現場は対応に追われて大変な状況になっていた」と振り返る。キャパオーバーで納期遅れ、また他社へ仕事が流れることを未然に防ぐための予防措置としても、今回の両面宛名印字機の増設は現場に余裕をもたらす結果につながったようだ。
実際に現場で両面宛名印字機のオペレーションを担当する制作課の梅原課長は「両面宛名印字を行う場合、はじめに表面を最後まで印字したあと、ひっくり返して中面を印字するが、それだとどうしても『待ち』の時間が発生してしまう。これが2台体制になったことにより、1台目で表面の印字が終了したものから順次、2台目で中面の印字にかけることができるようになり、無駄な時間なくスムーズに作業を行えるようになった」と説明する。
また、1台体制の頃は可変印字後の圧着加工でNGとなり、再度両面宛名印字機に戻ってきた場合、稼働中の印字機をストップさせる必要があったが、「2台目が空いている場合、1台目の印字機をストップすることなく、やり直しの印字を行えるようになった効果は大きい」(梅原課長)と現場の作業負荷軽減につながった効果を説明する。これらの複合的なメリットにより、例えば5万通の両面可変印字を行う場合など、従来は丸3日かかっていたようだが、「2日以内でできるようになった」(梅原課長)。
今回の増設により、生産キャパは飛躍的に向上し、繁忙期でも余裕を持った対応が可能になった。このため、「キャパオーバ--による納期遅れなどの心配もない。増設により、両面可変印字の受注はさらに増やしていきたいので、当社にお任せしていただきたい」と田中課長はアピールする。
中面データのみ違うDMの混入トラブルを解消
同社は今回、ニス圧着加工機3台に、後付けで異種混入防止カメラを搭載した。これにより、圧着加工後は見分けが付かない、表面データの見た目は同じで、中面データだけが違うDMが誤って混入してしまうというトラブルを防止することができるようになった。田中課長は「種類が混ざったまま納品してしまうというトラブルが過去に何回も起きており、それを解決するために搭載を決めた」と説明する。DMに識別番号を入力し、それを圧着加工直前にカメラで検査。NGを判別するとランプで知らせてくれる。
田中課長は「生産性だけでなく、品質保証という観点からも当社は両面可変印字のステータスを数ランク向上させた。今後も顧客に安心して仕事を任せていただける会社を目指したい」と話している。
来年1月、光文堂新春機材展に出展
同社は2024年1月24〜25日、ポートメッセなごやで開催される光文堂第60回新春機材展「PrintDoors2024」に出展し、圧着DMの優位性を提案する。
田中課長は「紙のDMの良さを改めて知っていただく機会にしたい」とブースへの多くの来場を期待している。
