シリウスビジョン、汎用性に優れた新たな検査機「Smartシリーズ」
検査機が「初めて」でも安心
画像検査システムのシリウスビジョン(株)(本社/横浜市港北区、辻谷潤一社長)は、新製品として汎用性に優れた「Smartシリーズ」を検査機のラインアップに加えた。同シリーズは「検査機の導入が初めて」という企業でも安心して導入できる使い勝手の良さを強みとしている製品で、page2023でも多数の来場者の注目を集めた。クライアントから「品質保証」のエビデンスを求められる傾向が高まる中、多くの印刷会社に検査機導入を後押しするきっかけを与えるものになりそうだ。

「Smartシリーズ」は、「より多くの方のお役に立っていきたい」との思いから、IGAS2022で発表した新たな検査機シリーズ。
同社ではこれまで、多様化する検査ニーズに応える専門性の高い検査システムを開発してきたが、昨今の人手不足で検査システムを求める印刷会社が増えていく中、今後は汎用性の高い検査システムにも製品開発の裾野を広げていく考えで、同社では「検査システムを初めて導入する『初心者』の企業でも安心して使用できる使い勝手と汎用性に優れた検査機となっている」としており、同シリーズにより、多くの印刷会社が検査機を採用することにつながることを期待している。
一体型高速可変読み取りシート検査機「Smaco」
IGAS2022で正式に発表した「Smaco(スマコ)」は、コンパクトサイズの一体型シート検査機装置。筐体サイズは検査ソフトと搬送部を含めても1メートル程度。同社では「検査ソフトもライト版となっており、1つの画面で設定から結果までが終了する」と簡易な操作性をアピールしている。複雑な操作は一切ないため、「検査機の初心者はもちろん、パソコンすら苦手という方でも簡単に操作できる」ということだ。
「スマコ」の名称の由来は「スマートコンベアコンパクト」。使い勝手を重視し、キャスター付きで簡単に移動ができる利便性がユーザーに喜ばれているという。同社では「これまでは、印刷が済んだ検査対象物を検査機の場所に持っていくのが常識であったが、スマコの場合は対象物のある場所に検査機を持っていくことができる」と、新しい発想の検査システムであることを強調している。
はがき、DM、商品券やチケットなどの可変情報の読み取りに適しているが、インクの汚れなども同時に検査することができる。可変情報の検査と同時に印刷の汚れも検査できることもポイントの1つになっている。さらに、製袋後、ビニールに入った封入封緘後でも検査が可能である。
ボトムフィーダータイプ(吸引ベルト)で、最大搬送サイズは角2封筒サイズ。搬送速度は往復はがきで6万通/時(英数OCR)、角2封筒縦で8,000通/時(内容物入り)を実現。目視やハンディリーダーでの手作業と比べ、オペレーターの負担を大幅に軽減できる。CSVやエクセルとのデータ照合も可能であり、"コンパクトで機能限定"と謳いながらも、多様化する検査ニーズに十分に対応する検査機と言えるだろう。
一体型全面シート品質検査機「S-Con Smart」
一体型全面シート品質検査機「S-Con Smart」は、最大A3サイズの全面の品質検査が可能で、オプションで表裏ワンパスの検査が可能である。
さらに高精度な検査が可能になっており、バーコード・QR・OCRの検査に対応(各CSV比較可)する。汚れ(良品マスターとの比較)、オプションでPDFマスターとの比較もできる。
検査処理として、NG停止・定数区分け(インターバル)、結果CSV保存・欠陥画像保存・全画像保存などが可能。「スマコ」と同様、キャスター付きとなっており、検査対象物の場所に持っていくことができる。
卓上ロールラベル検査機装置「S-Lab Combi」
卓上ロールラベル検査機「S-Lab Combi」は、卓上プリンターと連動して検査できる新製品。ラベルに追い刷りした可変情報の検査などに適している。もちろん、オフラインでも検査できる。
カメラは照明一体型CIS。読取幅は6インチである。「S-Con Smart」と同様に、バーコード・QR・OCRの検査に対応(各CSV比較可)。汚れ(良品マスターとの比較)、オプションでPDFマスターとの比較もできる。
また、検査処理は、NG停止(NGラベルはステージ上で停止)、結果CSV保存・欠陥画像保存・全画像保存などが可能になっている。
AIで「目視検査ゼロ」の実現をサポート
同社のグループ会社である(株)UniARTS(本社/横浜市港北区、辻谷潤一社長)は、AIソリューションの活用により「目視検査ゼロ」を目指す企業。page2023でもシリウスビジョンブースにおいて紹介され、さまざまなメーカーのデータ収集、ビッグデータ分析・AI欠陥分析が可能なソリューションをアピールした。
同社のソリューションを活用すると、学習で成長するAIシステムにより、検査データの良否判定の自動化、また、検査データの活用で生産工程の分析・改善が実現できるようになる。
高精度画像検査機は、不良品の流出防止や製品の品質向上につながるものの、最終的に目視検査や人の判断が必要なものも多い。これと比較して、AIソリューションは欠陥分類・検査データの蓄積により、「いずれ印刷現場での目視検査ゼロを実現するものになる」と見通している。
また、シリウスビジョン以外のメーカーの検査機にも対応可能で、相談すれば最適なシステム構成を提案している。
