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荷札工房.com、「大阪製本ドットコム」始動〜製本・加工のプロが協業

強みを融合し、全国からの受注獲得めざす

 「衰退する業界で生き残るための戦略」。大阪の製本業界を活性化させるため、全国の製本・加工の仕事を大阪へ呼び込むための大阪製本業強化プロジェクト「大阪製本ドットコム」が始動した。これは、大阪の「製本・加工のプロ」である数社が協業して開始したもので、荷札専門の荷札工房.com(株)(栗林亮社長)製本事業部(大阪市浪速区難波中3-9-3南朝日ビル502)が営業代行を行い、全国で困っているあらゆる製本・加工の仕事を協業する数社の工場に依頼して製造する。各社の強みを融合させることで、単体企業では難しかった仕事も自信を持って全国に届けることが可能になる。大阪製本業界の明るい未来をかけたプロジェクトと言えそうだ。


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大阪・難波の新オフィスにて栗林社長


荷札工房.comの製本事業部が営業代行

 「大阪の製本会社は素晴らしい技術を持っている会社が多いのに、営業力がないため、仕事がとれない会社が多いということをずっと感じていた。本当にもったいない話ですよね」

 大阪府製本工業組合の一部の若手経営者の中では、数年前から協業して全国の仕事を受注していくための構想が練られていた。しかし、話は一向にまとまらない。「それなら自分が中心になって、他社の分まで仕事をとろうと決断した」と栗林社長は話す。

 栗林社長は、もともとは一部上場のハウスメーカーの営業マン。営業には自信があった。家業を継ぐことになって間もない頃、印刷会社からの下請けが当り前であった当時、先代社長からは「製本会社で営業する奴なんかおらん」と言われながらも、飛び込み営業一発目でいきなり受注を獲得。「全然いけるやん」と自信を持った栗林社長は「中綴じ、無線綴じという言葉すら知らなかったが、がんがん営業に奔走した」。

 そして、海千山千の営業の世界で鍛えられた営業力でがんがん受注を獲得。その結果、「1ヵ月後にはキャパオーバーになり、夜中まで仕事をすることになった」。

 このような営業力に加えて、現在の栗林社長には製本のプロフェッショナルとしての知識と経験が備わっている。さらに本業の通販サイト「荷札工房.com」では全国に1,000社以上の取引先を有している。栗林社長はこれらの強みを掛け合わせ、タッグを組んだ数社の分まで仕事を獲得することを現実にしていく考えだ。


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「大阪製本ドットコム」webサイト


協業するのは「信頼できる」仲間企業

 今回のプロジェクト始動にあたり、栗林社長が声を掛けたのは業界仲間の中でも、最も信頼のおける数社。加工内容は多岐にわたり、デザイン/印刷/手帳製本/上製本/折り/無線綴じ/中綴じ/天のり・複写/リング加工/抜き加工/荷札/ミシン目加工/穴明け/伝票/化粧裁ちなど。

 「大阪製本ドットコム」では、これらの多様な加工を小ロット〜大ロットまでに対応することが可能だ。

 そして、これらを価格や納期ではなく、栗林社長がこれまでの業界経験の中から「素晴らしい技術を持っている」と感じる「信頼できる」業界仲間の工場に発注して生産することが、一般的なアウトソーシングとはまったく異なるところだと言えるだろう。

 「地方の印刷会社では一般的な製本・後加工の設備は内製化されているが、それでもできない特殊な加工がある。そのような仕事を大阪製本ドットコムで受注していきたい『困ったときは大阪製本ドットコムに頼んでみよう』と言われるようなチームにしたい」

 製本で困っている全国の印刷会社と大阪の製本会社の双方をとりもつ「ハブ的存在」を目指していく考えだ。

紙製品のECサイト構築で製本価値向上へ

 「毎日のように同じモノを作っていると、自分のやっている仕事の価値を忘れてしまうのかも知れない。こんなのどこでもできるよと言っている人を何回も見たことがあるが、実際はそうではない。自分たちの仕事に誇りを持っていきたい」

 栗林社長は、このプロジェクトを通して、製本業界全体の価値向上も目指していく考えだ。その1つの案として進めているのが、製本・加工業の企業による紙製品のECサイトの構築である。

 「『OOSAKA bookbindingshop.』のサイト名で、開設に向けて準備を進めている。製本業界の価値向上のため、製本会社の様々なオリジナル紙製品を掲載していきたい」

 大阪の製本業界活性化と、製本業界全体の価値向上を目指す「大阪製本ドットコム」。製本業界発展のための活躍に期待したい。

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