コニカミノルタジャパン、KM-1eで印刷業界のDXを提案
真の生産機へと進化〜メディア対応力と自動化機能を強化
後加工機との連携を強化
また、KM-1eでは、既設のオフセット印刷ワークフローへの統合を可能とするデータ処理システム「IJ Manager」の機能をさらに進化させ、CTPワークフローへの高い互換性、各種後加工システムとのインライン接続を可能とするインターフェース、そして後加工での作業効率を向上させる新開発のテープインサーターを搭載している。
とくにKM-1eでは、各種後加工機との連携強化を図っている。すでにロレム社製のスリッターやロータリーダイカッターなどとの連携実績があるが、今後は、ラミネーターやニスコーターなどとの連携も視野に入れている。
「後加工機との連携については、ユーザーの要望に沿ったカスタマイズ仕様として提供していくこととなる。基本的には、すべてインラインで構築できるシステムを予定している」(常泉氏)
また、KM-1eでは、新たに自動テープインサーターを搭載。これによりバリアブルで出力された印刷物を容易に種別することができ、後加工工程に正確、克つ効率的に移行することができる。
印刷業界のDXを視野に技術改良
加えて今回、新たにインライン接続可能なKM-1e専用の自動給紙装置を用意している。
自動給紙装置は、紙積みやジョガーから、用紙の搬送、積み替えまでを自動で行う装置。これにより、オペレータは、用紙の積み替えや紙揃えなどの作業負担が不要となる。そして将来的には、KM-1eを基軸としたフルオートメーションのインクジェット印刷生産ラインとして構築することができるようになる。
「この生産ラインにAGVなどを連携させることで、自動給紙装置への紙の供給もオートメーション化することができる」と語る常泉氏は、将来的な構想として自動給紙装置、KM-1e、各種後加工機をインライン接続することで給紙、印刷、後加工まで、すべての生産工程の完全自動化を実現した印刷工場のDXとしての提案を視野に入れているという。
「この完全自動生産ラインを複数ライン並列設置することで、たった一人のオペレータだけで、生産の高い自動化運転が可能なる。もし、この生産体制が実現できれば印刷工場のDXにつながるはず」(常泉氏)
ワンパス両面印刷という強みで新たなビジネスを創出
今回、メディア対応力の強化や自動化・効率化の強化を図っているKM-1eであるが、内田氏は、これらに加え、従来から踏襲している機能の重要性について改めて強調する。
「プレコート不要で多彩なメディアに対応可能という特長のほか、高精度な表裏見当精度による両面印刷が可能なことも、忘れてはならない最大の特徴の1つだと思う。枚葉方式のインクジェット印刷機は、競合メーカーも提供しているが、UVインクジェットによるワンパス両面印刷が可能なインクジェット印刷機は、KM-1eしかない。この特性は、多くの印刷会社に新たなビジネスチャンスをもたらすと確信している」(内田氏)
