広瀬鉄工、DM・PODに安心・安定技術
100年の実績で新製品を発表
創業100年を迎えた広瀬鉄工(株)(大阪市東成区、広瀬安宏社長)は印刷後加工分野における表面加工をはじめ、加飾特殊印刷、枚葉印刷検査などの分野で大きくシェアを伸ばしている。
近年「印刷」という工程自体が持つ付加価値は以前と比較して小さくなっており、オフセット印刷であれ、デジタル印刷であれ、いかに印刷物の付加価値を高めるかが印刷会社の収益を大きく左右する要件となっている。
こうした状況下に同社は「ひと目で分かる付加価値、分かりやすい付加価値の追求」を基本として、100年にわたって印刷、表面光沢、中でもUV乾燥によるニスコーティング分野の製品開発・改良を続けて品質並びに生産性向上を提案し続けてきた。

印刷物にニスコーティングを行うメリットとしては、光沢度のアップや表面保護などが挙げられるが、それに留まらず昨今ではUV・水性圧着ハガキ、また感染防止のための抗菌、抗ウイルスニスコーティングなどに至るまで、その需要はますます拡大している。オフセット印刷分野では、インライン方式のニスコーティングマシンが普及する一方、デジタル印刷機の分野ではオフラインコーターがその真価を発揮しており、このデジタル印刷機の得意分野は小部数・バリアブル印刷で、こうした中で同社はニスコーターの発売以来300台を超える実績を有するなど、小型コーターでデジタル印刷分野、中でもPOD出力物に対するコーティング装置のスタンダード機として実績を積み上げている。
圧着DM用の糊塗は、昨今大きく需要を伸ばしているDMマーケットの中、個人情報保護の要求やターゲットマーケティング的手法の拡大にあり、加工部数は、ますます小ロット化、加えて発送コスト削減策としてハガキ仕様で多くの情報が盛り込める圧着DMの需要が拡大している昨今、フレキソ方式によるヒロセ式UVニスコーティングマシンの真価が発揮されている。
特徴としては、すべてのスポットコーティングの圧着ニーズに対応するなど、印刷機同等の精密さと高性能、そして高速度を兼ね備えていることが挙げられる。
フィーダーおよび見当装置、すなわち針クワエの精度は圧着DMなどのスポットコーティングには必須となるもので、セラミックアニロックスを使ったドクターチャンバー方式は高精度かつ一定量のニスを用紙に供給することも必須である。また圧着DMにおいては、光沢加工のように艶が一定量あれば製品品質として満足するというものではなく、如何に圧着強度を安定させるかが極めて重要となる。
デリバリー乾燥部は印刷機と同様なチェンデリバリワーゲンの採用によって自動排紙積載機に用紙が搬送される他、同社のUV乾燥装置照射部分は、しっかりと咥えられた用紙が通過するため、ネットコンベアーで起こりがちなジャミングによる火災事故などの報告もなく、純日本国産の設計と技術で完成させた安心・安定稼働を市場に提供している。
こうした中、同社はこのほど新製品の「ハガキ圧着DMシステムSAC-18DM」の販売を開始した。

このシステムは、UVコーターと折機と圧着をドッキングさせたもので、V折りZ折りハガキからA4仕上がり圧着までをこなすワイドレンジの圧着DM一貫製造装置。コーターは定評あるSAC-18をそのまま採用し、折機圧着機は実績ある装置を活用している。
「独自技術の融合によって環境に配慮するヒロセよりデジタル印刷のポストプレス分野に圧着ハガキというパワフルな訴求力のあるツールを提供することにより付加価値を高めることで貢献度を高めていく」と廣瀬社長。フレキソオフラインコーターの他、100台を超える実績の金銀パール印刷に定評のある枚葉グラビア印刷機と、180台の実績を有する枚葉印刷検査装置、そしてホログラム、マット、艶出しのLCラミコートなど、印刷後加工分野における技術的戦略をターゲットにした設備提供活動を展開中である。
あたかも同社は、本年創業100周年の節目を迎えており「これも偏にお客様のご支援の賜物で、これまでのご恩に報いるためにも安心・安定の日本国産技術の集大成として各種コーター機をはじめ、検査搬送機の研究開発に努めていきたい」と意欲をのぞかせている。
