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DKSHジャパン、ダイレクトメール製造プロセスをシステム提供

商社・メーカー機能兼備〜柔軟なカスタマイズ対応が武器

 印刷加工機械の外資系商社であるDKSHジャパン(株)(本社/東京都港区三田3-4-19、石原滋社長)は、多様化するDM製造プロセスにおいて、インクジェットプリンタによるアドレッシングからラッピング、検査といったソリューションにおいて、商社としてのグローバルな視点と、メーカーとしての日本仕様に応じた機能を兼備することで、幅広い納入実績を誇る。

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バスクロのインクジェットシステム


「コーディネート力」に強み

 欧州の印刷加工機械を中心に、商社として幅広い製品ポートフォリオを武器とする同社が、DM関連機器のトータルソリューションを本格化させたのは約12年前。2010年にカナダのインクジェットシステムメーカーであるバスクロ社とアジア全域での包括契約を締結し、市場が拡大するアドレッシング分野に向けた「インクジェット+前後加工機」によるトータルソリューションを開始したことに始まる。現在DM分野では、ドイツ・ウィンクラー・ディネビア社製の封筒用製袋機をはじめ、インクジェット、ラッピングマシン、サンプル貼付け装置など、多様化するDM製造プロセスに対して幅広い守備範囲を誇る。

 これらソリューションにおいて特筆すべき点が「国産化」へのアプローチだ。同社は外資系商社ながら、海外メーカー製品に日本仕様の機能を付加してカスタマイズするハイブリッド型、さらには純国産機の開発まで手掛けている。DM関連機器の販売推進責任者である印刷加工機械部・岡田聖課長は、「とくにDM分野では、輸入機では対応しきれない個別ニーズも多く、国内の協力メーカーと協業し、国産の搬送部や前後装置を組み込んだカスタマイズ機の開発も行っている。ここで育んだノウハウ、情報、ネットワークによるコーディネート力も当社の強みになっている」と語る。​

アドレッシング

 DM製造プロセスにおいて、まず欠かせないのがアドレッシングだ。テキスト印字に優れたバスクロ社のUVインクジェットプリンタがこの分野を支えるソリューションの中核を担う。ヘッドやインクの改良が進んだことで、最近ではアドレッシング分野においてもUV化の流れが加速しており、コート紙への直接印字が可能になるほか、圧着ハガキの圧着面に個人情報を印字しても裏移りしないことから導入が進んでいる。バスクロ製品は、FUJIFILM Dimatix社製のUVヘッド(Max300×660dpi)をアッセンブリーしており、その高い印字品質を武器に、DKSHでは、アドレッシングにおける「水性からUVへの移行」を訴求している。

 一方、様々な入稿データにも柔軟に対応できるアプリケーションソフトを搭載したDKSHジャパン製、つまり「純国産」のインクジェットシステムの販売も好調だ。これは、セキュリティの問題でテキストベースでのハンドリングに制限がある仕事でも、PDFやTIFFなど、様々なデータ形式に対応するもの。「バスクロは安価にテキストデータを高速印字することに長けているが、PDFなどを使った汎用アプリケーションソフトへの対応が不十分な面がある。このニーズをカバーするのが、CTCジャパンと当社が共同開発した国産機『Streem Jet500』である」(岡田氏)。同プリンタは本来、連続帳票用に開発されたものだが、市場のニーズと将来的実用性から、ヘッド部分に京セラ製(Max600×600dpi)を採用し、単票(ハガキ〜角2)に対応する。

和&洋封筒ラッピングマシン

 一方、現在同社が注力するのが和&洋封筒ラッピングマシン「ラップスター」。これも同社が開発した「国産機」だ。

 通常、角2封筒の場合、インサーターによる封入作業の機械化が一般的だが、フィルム封筒の場合は手作業が主流で、これに対応する封入封緘機もあるにはあるが、これらの生産性にはフィルム封筒である以上、静電気やコシの無さなどの影響による制限がある。そこで「ロール状のOPPフィルムへ内容物を封入しながら封筒状に仕上げる」という考え方から生まれたのが和&洋封筒ラッピングマシンだ。

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和&洋封筒ラッピングマシン「ラップスター」

 既成の封筒状になったフィルムに内容物を封入する場合に比べて高速化が可能なほか、従来使われているCPフィルムと比べて透明度が高く、張りのある見た目にも綺麗な封筒を仕上げることができる。

 また、価格も従来なら3円程度のものがロールからだと1円程度に抑えることができ、生産性だけでなく、コスト面からもかなり優位性のあるリシーラブルのフラップ付き封筒が製造可能になる。

 「フラップがあれば、消費者の開封率が上がるという調査結果がある。さらに見た目が綺麗ということで、化粧品の通販会社などでは同装置を指定されるケースもある」(岡田氏)

 現在、内容物に対してタイトに仕上げる3,500通/時のモデルと、内容物に対して10〜15ミリ程度のアローアンスを設ける8000通/時の量産モデルの2機種をラインアップ。「やはり消費者はタイトなラッピングを好む。今後はタイト仕上げのモデルの高速化も視野に入れている」(岡田氏)

「使える検査」でエビデンス提示

 これら装置にはすべてそれぞれに適した検査装置が搭載されており、そのバリエーションやコーディネート力も同社の強みのひとつ。目的に応じた「使える検査」でクライアントにもエビデンスを提示できる。

 このように、インクジェットプリンタによるアドレッシングからラッピング、検査といったDM製造プロセスをトータルにカバーするDKSHジャパン。プッシュ型の販売促進ツールとして今後も成長が期待されるDM市場に対して、商社としてのグローバルな視点と、メーカーとしての日本仕様に応じた機能を兼備するDMソリューションを今後も展開していく。

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