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T&K TOKA、新特練インキ事業始動〜リモート発注で効率化に貢献

 (株)T&K TOKA(本社/埼玉県入間郡三芳町、髙見沢昭裕社長)とビデオジェット・エックスライト(株)(本社/東京都江東区、南文輝社長、以下『エックスライト社』)の協業による新特練インキ事業が、2024年1月1日に始動した。この新事業は、特練インキの発注をリモートで行うことで、これまでの課題であった色見本の移動などにかかる物理的な時間を削減し、効率的な特練インキ発注のしくみを提供するもの。両社では、この新事業を通じてインキと印刷物の納期短縮のほか、遠隔地における特練インキ発注の効率化にも貢献していく。

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分光測色計「eXact シリーズ」を活用

 新特練インキ事業は、従来の色見本や本紙を引き取り、または納品してから測定・調色していた特練インキ発注をリモートで行うもの。具体的には、印刷会社側で特練インキの元となる色見本をエックスライト社の分光測色計「eXactシリーズ」で測色し、その測色結果をCxF(カラーエクスチェンジフォーマット)データとしてT&K TOKAに送付する。

 エックスライト社により開発され、ISO基準に採用されたCxFは、デジタルスタンダード、測定結果、メタデータを正確かつ効率的に交換できる。CxFデータの受送信については、専用サイトなどを開設し、測色した色情報のほか、実際に使用する用紙情報なども盛り込んでいる。

 送付されたCxFデータは、エックスライト社のインキ調色ソフトウェア「InkFormulation6(IFS)」で配合計算ののち調色される。この調色されたインキ種を簡易印刷機で印刷を行い、ΔEで色差を確認し、問題がなければ特練インキとして生産を開始。ΔEについては、2以下を基準としている。これにより色見本の移動にかかる物理的な時間を削減し、納期対応に大きく貢献することができる。さらに、これまで納期対応の問題から諦めていた印刷会社の潜在需要の取り込みや遠隔地における特練インキ受発注の効率化にも効果が期待できる。

 T&K TOKAでは、UVインキの出荷数のうち、3割を特練インキが占めていることから、これらについてリモート発注への移行を提案していくほか、新規需要の獲得にも注力していく。


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内覧会を通じてリモート発注の調合精度を実証

 また、同事業では、分光測色計「eXactシリーズ」の測色値の精度とその維持・管理が重要となることからT&K TOKAでは、エックスライト社が提供する分光測色計の最適化ツール「Netprofiler」の活用を推奨していく。「Netprofiler」は、デバイスのパフォーマンスを検証・向上させるクラウドベースソフトウェアで、修理サービスが必要なデバイスを簡単に特定でき、デバイス間の偏差を減らすことができる。これにより、常に正しい精度を維持・確保することが可能となる。

 T&K TOKAでは、2023年10月の新事業立ち上げの発表以降、全国各地で精力的に内覧会を実施し、特練インキのリモート発注におけるインキ調合の精度や利便性を訴求してきた。新事業の本格スタートを契機に、そのPR活動も継続して実施していく。

 なお、新事業開始時の対象品目は、油性、UVオフセット用インキとなっているが、今後は油性、UVインキでの事業確立後、UVフレキソインキでの運用も視野に入れている。

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