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ブリッジ、印刷業界の人材不足問題を解決する「低価格」な派遣サービス

半年間のトライアル期間の時給を大幅値下げ

 印刷業界で人材不足が深刻化する中、人材派遣会社の(株)ブリッジ(本社/東京都千代田区九段北4-1-3)が2024年12月からスタートした新サービスが注目されている。これは、同社がこれまで提供してきた「職業紹介」と「派遣サービス」の良いとこ取りをしたソリューションで、印刷会社が即戦力の人材を採用しやすくなることを目的としたもの。派遣社員を半年後に正社員登用することを前提とする企業に対して、トライアル期間として半年間の派遣社員としての時給を大幅に値下げする。「派遣は高い」「正社員を採用しても長続きしない」などの悩みを抱える印刷会社からの問い合わせが集中している。

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左から 阪本氏、岩井氏、菅氏

低コストで試用、採用へのスムーズな移行

 新サービスでは、正社員登用を前提とする企業に対して、最初の半年間を「トライアル期間」として特別時給でスタッフを派遣している。これは従来の派遣時給を大幅に引き下げたもので、同社の阪本直樹氏が「赤字必至のサービス」と話すほどの覚悟を決めた取り組みだ。このトライアル期間を経て、本人と派遣元・派遣先企業が合意に達すれば正社員としての採用に進むため、企業にとっては雇用のミスマッチを防ぎつつ、低コストで即戦力となる人材かどうかの確認ができるのが大きな魅力である。

 印刷会社の多くが即戦力を求めながらも、適材適所の人材を採用するには大きなコストと労力がかかる現状に苦しんでいる。実際、従来の求人広告に頼った採用では人材不足が解消されないと感じている企業が増えており、その点においてこのサービスは、時間・コストともに無駄のない有効的な人材採用が可能になると言えるだろう。

トライアル期間の3つのメリット

 新サービスを活用すれば、印刷会社は人材採用における3つのメリットを享受できると阪本氏は話す。第一に、トライアル期間中に業務適性を見極められることで、雇用のミスマッチを未然に防げる点だ。もし適性が合わない場合は、同社が迅速に交代要員を見つけるという柔軟なサポート体制が整っている。

 この「交代要員」を見つけるというサービスは同社が従来から実施しているもので、実際に同社のサービスを利用した東京の某出版系印刷会社では、1人目の派遣社員がその会社にマッチしていなかったため、交代要員の派遣を依頼。しかし2人目の派遣社員もマッチせず、再び交代要員を依頼し、3人目でようやく自社に最適な人材と出会うことができた。そしてその後、その派遣社員を正社員として採用しているという事例もある。

 この「交代要員」の依頼にはもちろん費用は一切かからず、阪本氏も「自社に最適な人材が見つかるまで、ご遠慮なくお申し付けいただきたい。企業が求める人材が見つかるまで、全力でサポートさせていただく」との意気込みを話している。

 2つ目のメリットとして挙げられるのは、求人広告費の削減である。求人にかかる広告費や人事部門の負担がなく、採用活動の手間を大幅に省くことが可能で、かつコストパフォーマンスも高い。同社では、単なる派遣会社としての枠を超え、企業の採用支援パートナーとしての役割を強化していきたい考えだ。

 そして、何よりもトライアル期間の低コスト設定が印刷会社にとっては最大の魅力となる。月々の固定コストが抑えられるため、緊急に人材確保が必要な場合や、コストを抑えつつ、有能な人材を試用したいと考える企業にとって、導入ハードルが低い。阪本氏も「印刷会社にとって柔軟でありながらも、負担が少ない新しい人材確保手段である」と新サービスのメリットを強調する。

長期的な雇用安定に向けての新たな試み

 同社が従来から提供してきた「職業紹介」サービスは、正社員として採用が決まったスタッフの初年度年収の35〜40%を紹介料として1回のみ支払うだけで、企業がその人材を自社の正社員として確保できるサービスであるが、今回の新サービスも「職業紹介」と同じように、初年度年収の35%〜40%の金額を1回だけ支払えば、そのスタッフを自社の正社員として採用できる。

 また、印刷業界出身の社員も数名在籍しているブリッジは、派遣するスタッフに対して事前に印刷業界特有の知識を研修で伝え、適材適所の人材紹介ができるのも特徴である。阪本氏は「当社は単なる人材派遣にとどまらず、業界基礎知識のあるスタッフを派遣することで、雇用のミスマッチを最小限に抑えることができる」と述べており、業界特化型のサービス提供に自信を見せる。

印刷業界の明るい未来に向けた「橋渡し役」に

 同社は今後も印刷業界の発展に貢献すべく、多様な人材採用支援サービスの開発に努めていく方針だ。今回の取り組みもその1つであり、印刷業界が抱える人材不足の課題に対して、柔軟かつ実践的な解決策を提供していく。阪本氏は「企業に必要な人材を最適な形で届ける『橋渡し役』になることが、私たちの使命である」と話す。

 新サービスを活用すれば、人材不足に悩む印刷会社が課題を解決できる方向に進むことは間違いなく、トライアルする価値は十分にあるサービスと言えそうだ。