価値協創で新たな潮流|ウチダテクノ、印刷を活かす加工を提案〜高精度ダイカットで価値協創を実践
(株)ウチダテクノ(本社/東京都中央区、五木田行男社長)は、これまで多くのイベントを通じて高精度な加工技術を他社の魅力とつなげる「価値協創」で印刷物の高付加価値化・差別化を提案し、印刷関連業の新たなビジネスチャンスの創出を支援してきた。その高付加価値化・差別化に貢献している設備が、同社のオートフィードプラテンダイカッター「AeroDieCut(アエロダイカット)」だ。今回、このAeroDieCutの機能を他社の魅力ある技術とつなげた「価値協創」の事例について紹介する。
AeroDieCutは、曲線のカットやクリース、ミシン目などの加工を必要とするパッケージ、ユニークな形状のグリーティングカードなど、人々が手に取った時にワクワクする気持ちを抱いてもらえるような品質の高いアプリケーションを提供できる新世代のダイカッター。従来のダイカッターよりも簡単に操作が可能で、カッティングプロッターよりも生産性が高く、ロータリーダイカッターよりも刃型コストを抑えることが可能。
これまでのプラテンダイカッターは、大型で重く、熟練したオペレーターのスキルが必要であったが、AeroDieCutは、誰もが安全で簡単に操作できるタッチパネルを装備しており、機械的な調整が最小限で済むように設計されている。さらにデジタルプリンターの近くにも設置できるコンパクトなサイズを実現。これにより印刷後の迅速な加工を可能としている。
効率的な偽造防止パッケージ制作に貢献
2024年11月に開催された(株)モトヤ主催による「TOKYO PACKアフターイベント」では、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(株)のフルカラープロダクションプリンター「Revoria Press PC1120」とアビッド・フレックス(株)の偽造防止デザインソフト「SUPER LINE」、そしてAeroDieCutを連携させた「小ロット偽造防止パッケージ」の製作フローについて実演を通じて紹介した。
会場では、錠剤パッケージの印刷・加工実演を披露。まず、印刷については、SUPER LINEの円、弧、波状線など円形のデザインパターンを複雑に組み合わせることにより偽造防止と美的デザインの効果を表現する「ギロッシュ」、美しいテキスチャーをSUPER LINEの便利なツールで簡単に作成することができる「テキスチャー」、線幅を部分的に細くしたり太くしたりすることで彫刻したようなイメージを表現する「エングレービング」、線画をコントロールしてロゴ、マーク、イラスト、記号、文字などの対象物を立体的に浮かび上がるように見せる「レリーフ」などの偽造防止セキュリティデザインシステムの機能を利用して多岐にわたる偽造防止印刷を実施。さらにRevoria Press PC1120のマイクロテキストなどの微細な印刷を可能とする高精度印刷技術と、52g/平米の薄紙から400g/平米の厚紙まで印刷可能な幅ひろい用紙対応力、それにゴールドやシルバー、クリアニスなど多彩な印刷表現が可能な特殊トナーによる印刷を組み合わせることで、これまでにない多彩なセキュリティデザイン表現を駆使した偽造防止技術を訴求した。
そして刷り上がった印刷物は隣接設置されたAeroDieCutで型抜き、クリース加工が施され、偽造防止パッケージのほか、効率的な小ロットパッケージ生産力も披露された。
新たな価値の付加が可能な紙製クリップ
もう1つの事例として(有)髙田紙器製作所とユポ紙、そしてAeroDieCutをつなげた自由度の高いデザインが可能な紙製クリップについて紹介する。
この紙製クリップは、髙田紙器製作所の抜き型をAeroDieCutにセットして、厚手のユポ紙に印刷された紙製クリップ絵柄に対し、高精度にカットやハーフカットを施して仕上げている。
この紙製クリップの最大の特徴は、ユポ紙を使用していることだ。耐久性のあるユポ紙は、曲げたときに一般用紙よりも強い反発力を発揮する。厚手のユポ紙であれば、その反発力は、さらに強力になる。その特性を活かし、組み立てられた紙製クリップは「挟力」、つまり挟む力が従来の紙クリップよりも強力になり、活用範囲を広げることができる。
ユポ紙はデジタルプリンターで自由なデザインで印刷できるので、紙などの書類をクリップするデザインだけでなく、アイデア次第でさまざまなアプリケーションへの応用展開にも期待できる。具体的には、商品デザインやキャッチコピーなどを印刷することで立体的な店頭POPとして利用することができる。さらに耐水性に優れるユポ紙を使用しているので、使用する場所や環境の幅をひろげた商品提案も可能となる。
また、面白いアイデアグッズなので、各種イベントのノベルティグッズとしても活用することができる。
実際に2024年10月に開催された「TOKYO PACK 2024」のウチダテクノブースでは、来場者向けのノベルティグッズとして配布され、大きな関心を集めていた。