FFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
デジタル印刷特化でフルリニューアル
営業部門の来場が全体の4割
SDL西麻布のコンセプトは「発見」と「検証」。「発見」については、「実際に機械を『見て』『触れて』、お客様の声を『聴いて』、お客様に『寄り添って』、潜在ニーズを見つけ出すこと」をひとつのコンセプトとしている。
さらに「検証」については、今回新たな試みとして「デジタル印刷のコンシェルジュサービス」を実施している。印刷を知り尽くしたコンシェルジュを配置し、データ入稿から印刷、後加工の実践デモ、デジタル印刷のメリットを体験検証できるサービスとして展開していく考えだ。
オープンからおよそ5ヵ月。実際の運用では、印刷会社の営業部門の来場が全体の約4割を占めているという。
「従来は、製造部門のオペレータなどが多かったが、SDLには営業部門の方々の来場が多い。『クライアントからの要望でやむを得ず外注を強いられているジョブをどれくらい自社に取り込めるか』、そんな視点での相談が増えている。商印の会社ならば紙器パッケージやシールラベルなど。成果物までの加工を含めたビジネスのイメージをリアルに掴めるということで好評だ」(佐藤主任)


また、大橋課長も「機械を見に来るのではなく、クライアントの要望実現に向けた相談が多い」と語る。
「印刷会社では、PODでできることはある程度イメージできているものの、実際のビジネスに落とし込むところで苦労している。SDLでは、実際の導入事例や具体的なサンプルを提示し、その加工方法までを説明することで、新事業を模索する印刷会社の背中を押すことができ、顧客の潜在的な要望を顕在化することもできる。ここがひとつの『発見』に繋がると考える」(大橋課長)
一方、デジタル特化のSDLを、オフセット印刷のリテラシーおよび顧客基盤を持つFFGSが展開することにも大きな意味がある。PODを起点とした相談やディスカッションの中で、オフセットとのカラーマネージメントの話、あるいは印刷診断の話にまで至るケースも多い。佐藤主任も「オフセットを知るFFGSが行うデジタル印刷の提案に大きな優位性がある」とし、「当社にとってSDLは、お客様の困り事や課題を発見するマーケティング的な機能もある。当社が持つ分野別ソリューションへ、あるいは将来のソリューションへと繋げるための橋渡しの場でもある」と説明する。
