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国府印刷社、「きらめき箔」サービス拡大へ

デジタル印刷室開設-プリンター、封筒製袋機、加工機など設置

 (株)国府印刷社(本社/福井県越前市、有定耕平社長)は、好評の「きらめき箔」に加え、デジタル印刷技術を活かしたさらなる高付加価値印刷物の創出を目的に「デジタル印刷部」を開設。これに合わせ、社内の一部を改装し、今年8月に導入したリコーのデジタルプリンターやデュプロの封筒製袋機のほか、インクジェットプリンターやカッティングプロッターなどを設備した「デジタル印刷室」を開設した。今年10月中には、自動缶バッチ製造機なども設備する計画だ。これらの設備による様々な高付加価値印刷物に「きらめき箔」の技術を掛け合わせ、今後もプレミアム感を追求した印刷物を生み出していく考えだ。

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デジタル印刷室のショースペースの前で有定社長


P・Iショーに「推し活グッズ」専用ブースを出展

 同社は今年の春に続き、池袋・サンシャインシティにおいて10月9〜11日まで開催される「プレミアム・インセンティブショー」に出展する。ただ今回が従来と違うのは、「推し活グッズ」の専用ブースを構えることだ。

 「今回は2小間のブースで出展し、例年のブースに加えて、隣に『推し活グッズ』の専用ブースを構える。アニメキャラクター系の印刷物のサンプルを多数展示する」(有定社長)。同社では推し活ブームは今後もさらに伸びると予測しており、有定社長は9月末に大阪で開催された「推し活グッズEXPO関西」にも視察に出向き、その市場に大きな可能性を感じたようだ。今後もこの分野に注力していくという。

 「推し活グッズにおいても、きらめき箔を使用して作って欲しいという依頼は多い。プレミアム・インセンティブショーでは、新たに導入した封筒製袋機で作成した不定形サイズの封筒にアニメのキャラクターを印刷し、きらめき箔でさらに付加価値を高めたサンプルも展示する」(有定社長)。

 「推し活グッズ」の専用ブースの横の従来ブースでは、きらめき箔を中心に、色こより綴じやエコファイル・ミニ、ポケットパンフレットなどのオリジナル販促アイテムのサンプルを紹介し、様々な販促物に対応できる強みをアピールする。また、同社は地元・福井の「越前和紙」を使用した紙製品も好評を得ているが、このほど「越前そば」のそば殻によるエシカルペーパー「越前そばペーパー」を地元の市役所に提案して新たな受注を獲得した。

 有定社長は「展示会は実際に商品を手に取ってもらえる貴重な機会。とくに『きらめき箔』の質感やプレミアム感は実際に目と手で感じていただきたい」とブースへの来場を呼び掛けている。

リコーとコニカを両輪にさらなる高付加価値の印刷物創出を追求

 高付加価値なデジタル印刷物の需要が高まる中、同社はリコーの5色デジタル印刷機を導入し、新設された「デジタル印刷部」により、さらに多様な印刷ニーズに応えられるようになった。この印刷機は、ネオンイエローやゴールド、シルバー、ホワイトなど、7色のスペシャルトナーに対応しており、さらに豊かな表現が可能となっている。


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デジタル印刷室には封筒製袋機やカッティングプロッター、フラットベッドIJプリンタなども設置


 同社ではコニカの4色デジタル印刷機と2台のデジタル加飾機「AccurioShine 101」を、きらめき箔の専用機として稼働させているが、リコーのデジタル印刷機では、これらの幅広い色域、厚紙から薄紙まで対応できる用紙対応幅を活用し、より幅広い付加価値印刷物の創出につなげていく。もちろん、そこに「きらめき箔」を組み合わせたいという需要があれば対応は可能である。

 「すでに、お面や紙うちわなどを受注している。リコーとコニカのそれぞれのプリンターの長所を活かした戦略で上手に使い分けていきたい」(有定社長)


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新設したリコーのデジタル印刷機


 また、新たに封筒製袋機を導入したことは、環境負荷低減にもつながっているようだ。有定社長は「今まで廃棄していた端紙を有効活用し、オリジナル封筒を自社内で生産することが可能になった。これにより、環境に配慮した製品を提供するだけではなく、この製品を使用することでSDGsに取り組んでいることを対外的にPRすることも出来る」と強調する。新たに導入した封筒製袋機は、不定形サイズの封筒にも対応しており、特に差別化された製品を求める顧客に高い評価を受けているようだ。

 最大の強みとする「きらめき箔」を中核に、プレミアム感にあふれる高付加価値印刷物を次々と生み出していく同社の取り組みは、業界で提唱されている「価値協創(競創)」のモデルとしても注目されそうだ。