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勝田製作所、HPを企業情報発信型にリニューアル

14社の「お客様の声」紹介、リクルートページ強化で優秀な人材確保へ

 (株)勝田製作所(本社/大阪市城東区、勝田忠司社長)は4月22日、ホームページ(http://www.katsuda-works.co.jp)を企業情報発信型ページとして大幅リニューアルした。同社はこれまで、ホームページを単なる「Web上の会社案内」と位置付けていたが、リニューアルしたホームページでは、PC・スマホ対応を基本とし、新たなコンテンツとして14社の「お客様の声」を紹介。さらに、社員インタビューなどリクルート情報の充実を図っており、勝田社長は「昨今の人手不足解消と優秀な人材確保につなげ、当社が目指す『要素技術の深化・拡張に挑戦し、紙文化の未来』につなげていきたい」と将来を展望する。


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断裁精度や堅牢性、安全性などユーザーの「生の声」を紹介




ユーザーファーストと豊富なラインアップで信頼を獲得

 「フレンド断裁機」の愛称で親しまれ、今やその名を業界に知られている勝田断裁機。そのメーカーである(株)勝田製作所は、1934年に勝田忠司社長の実父・勝田義一氏が、現在も本社のある大阪市城東区鴫野の地で機械加工業として個人創業したことに始まる。そしてこの60年の間、全国の印刷、製本、紙工業界を中心に、紙断裁機の専業メーカーとして、断裁機とその周辺機器装置を開発・製造してきた。


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勝田 社長


 また、ユーザーの課題に対しては、継承・深化・拡張を理念に、独自のアイデアとチャレンジ精神で多くの製品、技術を展開。勝田社長は「微力ながらも、業界の発展に貢献し得ていることに誇りと感謝の気持ちを持っている」と話す。今や業界に不可欠なメーカーとして信頼と実績を積んでいることは、そのユーザーの数が証明していると言えるだろう。

 かつては、断裁機メーカーは国内だけで10社以上が存在していた時代もあった。とくに関西には多かったが、現在は市場縮小により3〜4社に減少している。そのような中、同社はなぜ生き残ることができたのか。その理由の1つとして、勝田社長はユーザーファーストの精神でニーズに応えてきた結果である豊富なラインアップを挙げている。

 「当社は600ミリの小型機から1,550ミリの大型機まで、10種類以上のラインアップを取り揃えている。断裁機は鋳物から製造するため、たくさんの種類を持つことはそれだけ木型が必要になり、生産コスト、在庫コストがかかるため、経営的にはデメリットになるのだが、それでも当社はユーザーの要望に対応して、ラインアップを広げてきた」(勝田社長)

 そして、同社ではこれに加えて、ソフトクランプなどに代表される安全性、機能性、操作性を向上させる様々なオプション機能を用意。これによりあらゆるユーザーニーズに対応した断裁機を提供することが可能になっており、それが「フレンド断裁機」として親しまれている所以となっていると言えそうだ。

 さらに、勝田断裁機はつい最近まで、ユーザーインターフェイスの画面において、液晶のフラットディスプレイとセグメント表示の2種類を用意していた。つまり、20種類のラインアップとなっていたわけである。

 勝田社長は「フラットディスプレイの方が確かに扱いやすいのだが、年配のオペレーターの中には、キーボードで数字を打ち込むセグメント表示を好むオペレーターも一定の数がいる。断裁機はあくまでも『人』が使用するものであるため、あらゆるオペレーターのニーズに応えたいという方針を貫いてきた」と話す。どこまでもユーザーファーストを追求するのが同社の方針となっている。

断裁機の組立を中浜工場に集約。本社工場で「特注機」の生産開始へ

 同社はこれまで、本社工場を含めて3工場・1倉庫の生産体制で会社を運用していた。本社工場は昭和63年に建て替えたが、守口工場は昭和56年に竣工、第3工場に至っては昭和48年の竣工である。老朽化が進んでおり、勝田社長は「今後も継続的に要望に応えることのできるメーカーとして製品の供給を続けていくには、生産体制のリストラクチャリングは不可欠であった」と中浜工場を竣工した経緯について振り返る。

 そして同社は2022年10月、本社の組立工場機能を中浜工場に全面移管した。それから1年半が経過した今、具体的にどのようなメリットが生まれているのだろうか。勝田社長は「設備の新装により、当然、職場環境は良くなった。また、リニューアルにより現場も新たな気持ちでスタートしてくれている。そのほか、組立スペースの増床や外部賃貸倉庫の縮小、そして本社工場を特注機の組立スペースとすることにより、近年展開してきた特注機の受注環境を構築することができたことが大きい」と説明する。


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塗装などを行う1Fの作業スペース


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広々とした2Fの組立スペース


 すでに受注している紙加工関係の特注機の生産を今年6月頃から開始する準備が整っており、そのほか、現在は2〜3件の案件が進んでいるようで、勝田社長は「紙加工の自動ラインや省力化などに貢献する特注機の受注を目指したい。また、昨年11月に(株)共同精機さんが廃業され、その事業を継承することになったが、共同さんが行っていたステーショナリー製品、伝票、帳票関係、はがきなどのライン機械も目標におきたい」と話している。