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TOWA、G段の印刷効率3倍に〜毎時2万枚の厚紙搬送は「化け物」

[Rapida106X披露]引き針のない給紙機構:並行処理で前準備時間短縮

3つのジョブをデモ印刷

 内覧会で行われた印刷デモは3ジョブ。まず、当日来場者のお土産として手渡されたお菓子の上箱を1,000枚印刷。用紙はG段0.9ミリ、ユニット(U)5にTOWAブルー、U6に30%の網、U7にOPニス。2ジョブ目は、すでに準備が完了しているU1〜U4を使い、1ジョブ目刷了後、すぐに2ジョブ目の4Cチャート(NBスターアートボード、0.22ミリ)3,000枚の印刷をスタート。この印刷中に、次はU5のTOWAブルーをKoenig&Bauerブルーにインキ替えし、2ジョブ目刷了後、お菓子の上箱G段1,000枚を印刷した。また、2ジョブ目ではフィーダーとデリバリーの全自動パレット交換の実演も行われた。

 これらすべてのデモは最高速の2万枚/時で印刷され、その厚紙の高速印刷および圧倒的なジョブチェンジの短さに来場者からは驚きの声があがった。なお、使用したインキは、都インキ(株)のバイオマスインキ「UV BM10」。

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内覧会にはパッケージ印刷会社らおよそ80名が来場

エネルギー消費30%削減と試算

 今回の設備投資には「省エネ補助金」が活用されている。「5〜6億円以上投資し、他社に対する優位性を維持したまま印刷事業を継続していくことを考えると...。この公助がなければ、印刷事業を辞め、現在成長しているホテル清掃事業にシフトしようと本気で考えていた」と語る高本社長。省エネ効果の試算については、「正確な測定を現在行っているが、すでに付帯設備を含めて工場全体で30%以上のエネルギー消費を削減できると試算している。2台から1台へ減らしたことに加え、生産性向上によって印刷物1枚当たりのエネルギー消費量は落ちる。現段階でも生産性だけで20%程度は落ちている上に、試算当時よりも厚紙の比率が増えている分、省エネ率は上乗せされることになる」と説明している。

 一方、内覧会の最後のQ&Aで「Koenig & Bauer社は世界でもっとも長い歴史を持つ印刷機メーカーだが、日本ではあまり知られておらず、他の印刷機メーカーと比べて日本での事業規模は大きくない。アフターサポートなどに不安はなかったのか?」という質問に対し、高本社長は、「各印刷機メーカーの設置台数1台あたりに対するサービスマンの人数は大きく変わらないのではないか。ましてや今はどこのメーカーでもサービスマンを呼べばすぐに来てくれる時代でもない。ある一定のレベルまでは自社でメンテ、修理できる体制が必要だと考える。当社でも5月にメンテ研修のためにオペレータをドイツまで行かせる予定である」と答えた。

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内覧会前の起動式で始動ボタンにタッチする高本吉則会長と高本社長

 「パッケージの印刷機には商印と違って『遊び』が必要。Rapida106Xには、先進性や高速性能に加え、この『遊び』がある。とにかく、毎時2万枚の厚紙搬送は『化け物』だ。当社は今後も同機を活用した新たな挑戦を続けていく」(高本社長)