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コンパス、「QRomo」で印刷需要喚起〜QRコード活用の販促支援ツール

 「カワラナクチャ!」──頁物を中心に、A3サイズ以下の「極小ロット・短納期対応」を得意とする(株)コンパス(本社/大阪市北区天神西町7-8、東條章樹社長)では、顧客の9割以上を占める印刷会社に向けて、QRコードをベースとした販促支援ツール「QRomo(キュロモ)」をニューノーマル時代の営業ツールとして提案している。

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東條 社長

 1961年に軽印刷業として創業し、同業者の「生産工場」としての機能を高めることで企業価値を高めてきた同社。今回紹介する「QRomo」は、新型コロナウイルス感染症拡大にともなうイベントの自粛や人流抑制によって影響を受けた印刷会社に対し、紙媒体とは違った角度から提案できる販促支援ツールとして2020年に提供を開始したもの。現在は、紙媒体の需要を喚起する販促支援ツールとして実績を積んでいる。

 事業化のきっかけについて東條社長は「定期的に発注のあった三角くじの仕事が突然ゼロになったことから、その置き換えとして『非接触』の販促ツールを印刷会社に提供できないかと考えた」と振り返る。また、QRコードの活用について「キャッシュレス決済などの普及によって、QRコードは広い年齢層で身近なものになっており、QRコード自体も無料で使える。この『手軽・身近・簡単』がポイントである」と説明する。

 「QRomo」は、ユーザーがQRコードを読み込むだけで簡単にキャンペーンに参加でき、店舗(イベント主催者)はクーポンの提供やアンケート、ゲーム、SNSへの誘導などのコンテンツを通じて、アクセス日時や媒体、参加状況、属性などのデータの収集・分析ができる。イベントの効果測定から、より効果的なマーケティングが可能となる。

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 活用例として最も多いのが商店街のイベントだ。ユーザーは商店街に設置されたカードやポスターにあるQRコードをスマホで読み込み、スタンプラリーやゲームに参加。結果によって景品が当たるといったようなキャンペーンだ。

 「そもそも紙媒体の置き換えとして考えていたが、非常に紙媒体との親和性が高く、ポスターやバリアブルカードなど、イベントに関する様々な印刷物の需要を掘り起こすことができる」(東條社長)

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左:抽選券のQRコードを読み込んでゲームに参加、右:ポスターのQRコードを読み込んでスタンプラリーに参加

 また、自動車ディーラーの来店アンケートのツールとしても活用事例がある。

 「デジタルの最大の利点は、データの収集・分析が容易であること。とくに大掛かりな準備も必要なく、運用側の負担も少ない。10万円ほどの導入コストからはじめられる手軽なツールでありながら、一歩先の提案ができるのが最大の魅力である」(東條社長)

 同社では、今回紹介した販促支援なども含め、QRコードを起点とした様々なビジネスへの挑戦に意欲を示している。