デコラティブシステム、アフターコロナに「Nyala4」で反転攻勢へ
「流れを変える印刷機」として期待、2.5次元の印刷で新市場へ進出
積層による「2.5次元印刷」は圧倒的な綺麗さと質感を表現
同社はこれまで、ディスプレイ業界や商業施設、文化施設、美術館などの内装を手掛けてきた。そこではディスプレイ業界の設計士やデザイナーなどが顧客の対象になるが、そこに対して、これまでは国内メーカーの溶剤系プリンタで出力して対応してきたが、それを「Nyala4」で出力するようになり、従来と比べて、圧倒的な綺麗さを実現できるようになったという。
「何層も重ねる積層印刷を当社では『2.5次元印刷』と呼んでいるのだが、写真だけで見ると分からないが、実際に手にしてもらうと顧客の反応は圧倒的に違ってくる。そこがNyala4の最大の魅力で、顧客はより幅の広い表現が可能になる」(井澤本部長)。そして、これによりディスプレイ業界などの元請けに、より近づいて仕事ができるようになったようだ。井澤本部長は「間違いなく完全に差別化できるイメージができあがっている」と強調する。
そして、同社は「Nyala4」の導入により、すでに「会社の流れを変える」という目標の方向に向かって進んでいるようで、杉森取締役CEOは「お世話になってきた既存顧客に新商材を提案しながら、一緒に課題解決に向けて進んでいきたい。また、Nyala4の導入は、社員に提案型の仕事を行うための意識改革にもつながっている」と話す。
さらに、製作部の高雄氏は、インキの着弾精度の良さや耐擦過性に優れていること、インクが破れないこと、「知れば知るほど良いところが出てくる」(高雄氏)と長所を話し出すと枚挙に暇がない様子だ。
また、井澤本部長は「思いをカタチにし、表現できるのがswissQprintのプリンタである」と評価しており、「このため顧客からのウケも良く、今後も色彩、厚盛り、バーニッシュなどをポイントに提案の幅を広げていきたい」と話す。
さらに、swissQprintがこのたび特許を取得した「ワンタッチバキューム」の利便性についても高く評価している。「マスクをしなくてもメディアがずれることもないし、バキュームの音も静かなため、隔離しなくても他の設備と同じ場所に設置できる」(高雄氏)。また、Nyala4はプリンタの見た目のデザインが格好良いところも、気に入っているようだ。
手厚いサポートで、出力機初心者でも簡単に操作ができるように
これまで、国内外の様々な製品を使用してきた同社。国内メーカーと比べて、外資系メーカーはアフターが"淡白"というイメージを持っていたという。そんな中、swissQprintの導入後の懇切丁寧なレクチャー、また、アフターサポートの充実には正直驚いているという。
「質問したことだけ教えてくれるというのではなく、こちらが完全に理解できるまで、何日も付きっきりになって教えてくれた」(井澤本部長)
そしてこれにより、これまでは手作業の現場が中心で、出力機の操作は初めてという製作部の手島英樹課長代理も「Nyala4」を容易に操作できるようになったという。手島氏は「モニターの画面により、どの画像をどこまで出力しているかの進行状況をパーセンテージで確認できるのは便利だと感じている。また、出力前に間違っていないかどうか、確認のアナウンスがあがってくるので、そこで再度チェックすることで、出力ミスを防ぐことができる」と実際に操作した感想を話している。
そして、同社では現在様々な出力サンプルを作成しているようだが、杉森取締役CEOは「サンプルについても内容の質が良いため、大きな展開の相談が多い。これまではできなかったことが実現できるため、有名メーカーからサンプルを作って欲しいと相談がきたり、また、決定度も高い」と営業面にも大きな効果をもたらしているようだ。
井澤本部長は「顧客からの反応にしても、Nyala4は、従来のUVプリンタのように『少し違うな』とか『何か物足りない』といったことがない」としており、当初の"顧客の期待を超える印刷物を製作する"という目的はすでに達成しているようだ。杉森取締役CEOは「屋外広告はこれまで、遠目で見てよければ良いという認識だったが、Nyala4により、間近で見ても綺麗な印刷物の製作が可能になり、その流れを変えることができるようになった」と、新たな領域への展開に期待する。
世の中のボード系印刷の精度を改革。新たな機会創造へ
同社は今後の方針として、既存顧客に対して社用車・展示会・内外装リニューアル・サインなどの他、Nyala4の活用により顧客の課題を解決できる幅を広げ、新しい機会創造に努め、新市場進出を目指す。
杉森取締役CEOは「社員の意識の自然改革、顧客接点の質と量を大きく向上させ、顧客と一緒に新商品を開発していきたい」としており、既存設備と技術に「Nyala4」を融合させ、今後も顧客の期待を超える印刷物の製作を実現していく。コロナ禍での落ち込みを回復すべく、「Nyala4」で反転攻勢をかけ、新たな流れを作っていきたい考えだ。11月8日に開催したNyala4のオンライン見学会も好評だったようで、今後の取り組みに注目が集まりそうだ。