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昭栄美術、SHOEIベイスタジオに「Nyala3」〜安定した出力品質を評価

ラミネートの削減で製作時間は5分の1に。出力品質も安定

 同社では、イベントや展示会の「基礎工事」を一手に引き受けるなど大規模な仕事も受注しているが、出展各社のブースに貼り付ける「社名版」の出力も数多く手掛けている。そして、この業務には手間と時間がかかるため、何とか効率化を図れないかと悩んでいたことの1つであったようだ。

 羽山専務取締役は「例えば1,000社、出展する展示会の場合、その数をロールプリンタで出力し、ラミネートしたあとでスチレンボードに貼り、カッティングして現場のブースに貼りに行くという流れになる。ぎりぎりまでデータが入稿されないということも珍しくなく、夜なべして作り込んでいた」と当時を振り返る。

 そして、フラットベッドプリンタの優位性を知り、様々な海外メーカーの比較検討を進めた結果、見当精度・品質・スピード・クオリティのすべてにおいて「ワンランク上であることを感じた」(羽山専務取締役)のが、Nyala3であったようだ。羽山専務取締役は「ラミネートのプロセスが不要になったため、手間や時間と材料コストを削減できたほか、環境にもこれまで以上に寄与できるようになった。作業時間は従来の5分の1ほどまで削減できた」とその効果を話す。また、プリンタのデザインも洗練されていて気に入っているようだ。「決して安くはなかったが、どうせ導入するなら最高級の性能のプリンタを導入したいと思い、導入を決断した」(羽山専務取締役)。

 同社では現在、ボード系の出力を中心にNyala3を活用しているが、出力する素材を選ばないため「ゴルフボール、木材などのサイン装飾にも活躍している」(羽山専務取締役)と、その特性を最大限に活用しているようだ。人気アニメのキャラクターの等身大パネル製作などにも、Nyala3が活躍しているという。

両面出力の作業性を最大限に評価。高付加価値印刷の出力品質も安定

 そして、実際にNyala3で作業するオペレーターに聞いたところ、最大限に評価できるポイントは、突き出し看板など両面に同じ画像を出力するときの作業が簡単なことであるという。

 「ボードメディアをひっくり返すのも簡単で、見当も合わせやすいので揃えやすく、失敗も少ない。他のプリンターで両面印刷を繰り返していると、必ずズレてしまう。ここは譲れないポイント」(オペレーター)。工夫すれば絶対にズレないため無駄がなく、現在、両面印刷の出力はほとんどNyala3で行っているということだ。

 また、透明のアクリルにサイン装飾する場合なども、貼りズレや気泡が入るリスクが少なく、技術が必要な透明メディアへの出力貼りがなくなり、重宝しているという。

 同社では通常のCMYKに加えて、ホワイト・バーニッシュ・ライトマゼンタ・ライトシアンのインキを活用し、これによりザラザラした触感や厚盛り、バーニッシュなどの高付加価値印刷物の出力も数多く手掛けているが、オペレーターは「これらの出力品質も安定して行うことができ、失敗は少ない。使い慣れると本当に使いやすいプリンタであると思う」と話していた。

 さらに、他方式と比較してのUVインクジェットプリンタの評価点としては、前述の様々な素材へのダイレクト出力に加えて、伸び縮みの少ない出力精度、擦過性の高さなどを評価していた。

サインセンターの増設に合わせてNyala3の増台を検討

 SDGsやサステナビリティなど、環境対応に力を入れる同社は、現在スチレンボードに代わり、段ボール製のボードを代替品としてPRする取り組みを進めているという。羽山専務取締役は「100%古紙回収できるため、プラゴミ削減にも貢献でき、また価格も抑えることにも成功しているため、これによりシェア拡大を目指したい」としている。

 また、同社は近年中にSHOEIベイスタジオの敷地内にサインセンターの増設を計画しており、羽山専務取締役は「これに合わせ、Nyala3の増台も検討したい」と話している。同社が最終的に目指す工場の形は「スマートファクトリー」であり、それにNyala3を活用していきたいという。

 羽山専務取締役は「プリンタとカッティングマシンを組み合わせて連動させ、スチレンボードの自動セットや出力の自動送り込みにより、これを実現していくことができれば...」との構想を話す。そして、これらを実現できるためのswissQprintの製品開発にも期待しているということだ。