甲南堂、「EQUIOS Online」でクライアントニーズ解決へ
携帯がスマホに進化したような感動〜クライアントも「もはや前には戻れない」
(株)甲南堂(本社/神戸市東灘区、*本社機能:神戸市中央区、水落翔社長)は2018年3月、全体最適化を目的にプリプレスワークフローシステム「EQUIOS」を導入。2021年7月には、オンライン校正による営業の移動時間のロス削減、社内の制作・検版作業等の効率化を目的に、Webポータルシステム「EQUIOS Online」を導入し、兵庫県内の大手生協や企業を中心とした200社を超えるクライアントの案件をEQUIOS Onlineで管理している。コロナ禍を背景にリモートワークと非対面の意識が急速に拡がる中、EQUIOS Onlineの活用でクライアントの新たなニーズに対応していく。
同社は1929年、神戸市東灘区の地で創業した。90年以上の歴史を誇る老舗の印刷会社である。約120名の従業員のうち、総勢70名を超えるクリエイティブスタッフによる一貫した制作体制を強みとしており、クライアントニーズに応じたベストなチーム編成で企画はもとより、校正・編集・デザイン・Webシステム開発・撮影・映像制作など、幅広いサービスでクライアントの課題解決を実現している。
2008年には、料理写真に特化したフォトスタジオを新設。「おいしそうに撮る」ことをコンセプトにしている。また2018年には本社機能を神戸市中央区の「モードピア」に移転。2019年には社名を(株)甲南堂印刷から、現在の(株)甲南堂に変更。2022年には水落翔氏が新社長に就任するなど、社会変化に対応すべく企業形態の変革を続けている。
EQUIOSとの親和性で導入を決定
同社がWebポータルシステム「EQUIOS Online」を導入したのは2021年7月。生産本部の浅野大輔部長は、「入社から10年ほど営業をしていたが、校正紙の受け渡しのためだけに会社とクライアントを何往復もすることに疑問を抱いていた」と当時を振り返る。ただ、その時は1人の若手営業マンであり、何かを変えることもできず、「オンライン校正システム」のような製品も知らなかったため、「時間の無駄ではないか」「もっと効率的に動けないのか」と悶々としながらも、校正紙の受け渡しに車を走らせていたようだ。
その後、生産本部の部長という現在の立場になり、様々な展示会を視察する中で知ったのが「オンライン校正システム」の存在だ。会社に検討を打診したところ、その効果の理解を得ることができ、システムを比較検討することになったが、同社はもともと「EQUIOS」を使用していたため、「EQUIOSとの親和性を考えると、EQUIOS Online以外の選択肢は考えられなかった」(浅野部長)と、迷うことなく導入を決定した。
そして、同システムを運用するにあたり、社内ワークフローの構築に動くことになった。まずはSCREENの3日間の学習会に、リモートも含めて可能な限りの管理職が参加。その後、営業・制作・校正・製版の各部署の代表で本部組織化し、運用案を策定した。次に、企画制作本部 校閲部 シニアアドバイザリーの青木勝宣氏が社内教育の担当者になり、自社に必要な情報だけを抜粋してマニュアルを作成。さらに営業・制作・校正・製版など、カテゴリーでブロック分けして教育した。「役割軸で分け、各部署のリーダー以外のメンバーには全体感を浅く周知した上で、自身が所属する部分のみの操作を習得させた」と青木氏。これにより、拒絶反応を極力少なくしながら運用を進めていくことができた。
その後、テスト案件を制作各チームで設定。ある程度の実験案件を実施した後、主要案件の「内校で使用」「クライアント校正まで行けそうなもの」の目標をまとめ、月ごとに進捗を確認しながら社内ワークフロー構築を進めていった。
「現在は大物以外、内校でEQUIOS Onlineを使用する段階まできている」(浅野部長)。今後の課題は、大ページの複数スタッフが関わる案件の実施、そしてクライアント校正の拡大であるという。