国府印刷社、DM関連ビジネスに可能性見出す[ピツニーボウズ社インサーター導入]
封入・封緘作業を自動化〜大量受注でも短納期対応が可能に
「パソコン、プリンターのような感覚」。簡易な操作性を評価
ピツニーボウズ社のインサーターは、発送代行会社よりも、むしろ、自治体などに数多く導入されている。つまり、プロのオペレーターでなくても、一般人であっても簡単に操作できることを意味している。普段から印刷機や製本機の調整を行っているオペレーターであれば、操作は難なく行えそうだ。まさに、印刷会社が内製化するには最適なインサーターであると言えるだろう。
カラーディスプレイのタッチパネルで簡単に操作することができ、有定社長は「パソコンやプリンターのような感覚で操作できる」と評価する。保存されたジョブを24件、ライブラリー内のジョブを18件、過去のジョブを8件まで自動設定できるという。
さらに、有定社長が評価しているのは「PlanetPress」というバリアブルデータの作成ソフトである。同社はこれをオプションで導入することで、封入する内容や枚数が異なるジョブであっても自動でバリアブル封入することが可能になり、大量生産だけではなく、多品種少量の封入・封緘であっても作業の手間なく、容易に対応することができる。
「バーコードで封入物のデータを読み取るため、万が一、封入漏れや2枚取りなどのミスが起きれば、自動で検知されて排出される仕組みになっている。このため、個人情報を含めたDMであっても、安心して当社に任せていただきたい」(有定社長)
また、同社は高速ダイレクト宛名印字機も同時に導入したため、宛名印字から封入・封緘、発送までの一貫生産体制を構築したことになる。有定社長は「福井県は日本の真ん中にあるため、郵便も発送しやすい位置にあると考えている。このため、今回のインサーター導入を既存顧客にも周知し、PR・提案していきたい」としており、今後は同業の印刷会社からも、DM関連の仕事を積極的に受けていきたい考えだ。そして将来的には、越前和紙やバナナペーパーを素材とした封筒を自社開発し、それを提案することで独自性のあるDMビジネスを展開し、「創注」につなげていくという。
昨年にSBT認証を取得。環境に注力し、今夏にはFSC認証も取得へ
同社は4月12〜14日に東京・池袋で開催される「プレミアム・インセンティブショー」に出展し、「色こより綴じ」や「きらめき箔」、「エコファイル.ミニ」など、昨年に開発した新商品を一堂に紹介する。また、「新たな新商品の紹介も考えている」と、有定社長にはさらに新しい構想があるようだ。
同社は2022年末に、企業が環境問題に取り組んでいることを示す目標設定のひとつであるSBT(Science Based Targets)を取得しており、今夏にはFSCの認証も視野に入れているという。企業として環境にも積極的に取り組んでおり、環境にも配慮した高付加価値な新商品を見ることができるかも知れない。新たに開設する「バリュアブルプリント.com」も紹介する予定だ。また、同社の企画力とピツニーボウズ社のインサーターの機能の融合によるDM関連商材の開発にも期待したい。