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プリプレスから「経営改革」提案|日本アグフア・ゲバルト 岡本勝弘社長に聞く

[新春インタビュー]今春に新ブランド発表〜プレートビジネス再加速へ

新ブランドで新たなスタートの年に

 昨年9月、アグフアのオフセット事業をドイツに本社を置くアウレリウスグループに譲渡することが発表され、お客様には大変ご心配をお掛けした。

 アウレリウスグループは、世界的な印刷市場の縮小に対し、コロナ経済からの市場回復をはじめ、オフセット印刷ビジネス成長エリアにおけるプレートビジネスの伸びに魅力があると見ており、ポストパンデミックにおけるプリプレス市場の成長を取り込み、印刷業界の再編をリードしていく考えを示している。投資意欲も旺盛で、最近ではフィンランドの大手製紙メーカーを買収するなど、印刷関連企業を傘下に収めていることから、その相乗効果も期待できる。

 今回「合併」ではなく「事業譲渡」という形のため、アグフアオフセット事業本社の経営陣、また研究部門、製造工場など運営体制に変更はなく、本社も引き続きベルギーのアントワープに置く。現・日本アグフア・ゲバルトのオフセット事業についても体制の変更はない。

 今回の事業譲渡にあたり、全世界的にオフセット事業において150年以上の歴史を誇る「アグフア」というブランドはなくなることになる(製品名は変更なし)。この事業譲渡契約は2023年第1四半期に完了する予定で、今後、早くて3〜4月頃には新たな会社名、ブランドが発表される予定である。

 なお、インクジェット事業は引き続き「アグフア」ブランドとなるが、日本では、我々の新ブランド会社が取り扱いを当面継続する。

「Not Just a Prepress」テーマに

 昨年が「我慢の年」だったのに対し、今年は新たなブランディングと販促活動をアグレッシブに展開するとともに、新製品や新サービスの発表も予定している。

 当社の基本路線は、プレートビジネスが中核であることに変わりはない。昨年、抑制せざるを得なかったアダマス、エクリプスの販促を積極的に展開し、これら製品を通じてお客様のさらなるコスト削減、環境対応をサポートしていく考えだ。

 これら2023年の事業活動の第1弾として、2月1日から開催される「page2023」展では、「Not Just a Prepress」をテーマに、「プリプレスは単なる製造の一部ではなく、そこから経営改革を実践できる」というコンセプトを明確に打ち出して出展する予定である。

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page2023のアグフアブース

 今年もエネルギー、原材料価格の高止まりなど、外部環境の動向が懸念される年になると想像している。印刷業界も例外なく大きな影響を受け続けていくだろうと考えており、その中で、如何にボトムラインを改善し、利益を創出していくかが最も重要になる。これらお客様の課題に対し、速乾印刷をはじめとしたプレート技術による経営改革、あるいはクラウドワークフローによる電力、半導体不足への対策を積極的に提案していく考えである。新ブランドとともに新製品、新サービスに力を入れていく我々の今年の取り組みにご期待願いたい。