スカイロジック、能書・封筒・シールなどを高速計数 - 枚数計数機「EasyNumbers」
「枚数を正確に数えるシステムが欲しい」。枚数計数機「EasyNumbers」は、印刷業界からのこのような要望に応えて(株)スカイロジック(本社/静岡県浜松市、南野真吾社長)が2017年に開発した製品。主に、能書・封筒・シールなどの計数に活用されており、「2つ折りが計数できるため、作業性が向上した」「一時中断もできるため、割り込みの仕事もできる」「自動計数・ログの自動出力で管理が楽になった」などユーザーからの評価も高い。受入検査・出荷検査など、様々なシーンで活躍している。
費用対効果を実直に追い求める検査機メーカー
「早期に、簡単に、確実に、安価に」。スカイロジックの製品開発コンセプトである。同社は画像に関するソフトウェアやシステムなどを開発するメーカーであるが、同社の青山洋士氏は「当社の目的はこれらを販売することではない。課題を持つ顧客がその先へ飛躍するための踏み切り板となることである。そのためには、スピード、簡便さ、検査の確実性、コストのどれもが重要になる」と話す。
また、同社は費用対効果を実直に追求するメーカーでもある。「大きな効果を得る一方で、費用を抑える。これには果てしない努力が求められる。だからこそ、技術やサービスという手段で費用対効果を追求し続ける価値があると考えている」(青山氏)
そのための取り組みとして、同社ではAI、IoTなどの最新技術を研究し、ユーザーが使いやすい製品群に転換して提供する。また、経費を抑えるため、直接ユーザーのもとに行かない代わりに、メールや電話、Web会議でスピーディーにサポート。サンプルの無料テストやユーザー自身で検証できる機器類も用意している。
「これらの体制により、検証作業の効率性と自由度を高め、同時に製品本体の価格を適正なものに維持している」(南野社長)
印刷会社の声から生まれた枚数計数機「EasyNumbers」
枚数計数機「EasyNumbers」は、2つ折りの能書・色物・封筒・シールなど、多様な印刷メディアの計数が可能。3タイプを用意しており、「価格はお問い合わせ下さい。上位タイプほどカメラの性能が良く、薄紙も計数できる」(青山氏)。スタートボタンを押すことなく、置いた瞬間に枚数がわかるリアルタイム計数で、青山氏は「1回あたりの計数速度は0.01秒程度」。1回に計数できる範囲は最大150mmとなっている。
また、計数対象物を置いて取り除いた時に自動的に履歴に保存する「自動履歴モード」を搭載。計数対象物の状態を画面で確認できるため、効率的に計数対象物を揃えることもできる。また、検査は行わず枚数のみ表示する「計数モード」も搭載。「数がわからないものの計数に便利」(青山氏)。生産回数機能も付いており、生産回数ごとにメッセージが表示される。
計数対象物を置く底の部分を除き、計数対象物に機構部が触れることがないため、計数によって製品に傷が付く心配もない。計数をするための可動部がないため、機械の定期メンテナンスも不要である。計数時の機械音も出ない。
安定した計数精度を実現
計数の方法は、異なる3エリアでカウントして数の一致を確認する。このため、正確に計数が行える。
「3エリアすべてにおいて、計数結果が連続して同じになるかをチェックする。また、エリア平均化機能により、紙や板の状態に左右されにくい安定した計数を実現している。エリアカメラを採用し、『線』ではなく『面』でカウントする。高画素カメラ+高解像度レンズや弊社独自のアルゴリズムにより、従来よりも薄い対象も計数できる」(青山氏)
また、独自のシェーディング補正アルゴリズムを採用し、ばらつきやコントラストが低い紙に対しても安定した計数を実現。様々な種類の計数物に柔軟に対応し、計数感度、検査位置の設定を品種ごとに行える。
このほか、異物混入検知機能の搭載により、厚物・薄物・色違い・浮きなどを検知。画像と重量計とのダブルチェックが可能。また、測定ログも画像枚数計数と重量がひとつのファイルに残るため、管理が簡単に行える。
印刷業界では数十台の導入実績
「EasyNumbers」は、印刷業界だけでなく様々な業界に導入されているが、印刷業界では現在、数十台の導入実績がある。
「印刷業界では、主に能書の計数で導入していただいている。このほか封筒・台紙・金属プレートなどの受入検査・出荷検査など、多様な用途で使用されている」(青山氏)
導入後の流れは、納品時にオペトレを行い、その後は電話やメールでサポート。修理に関してはセンドバック方式での修理対応となっている。
ユーザーが使いやすい製品開発に努力
今後の目標は、「精度・速度・使いやすさのすべてにおいて、EasyNumbersを業界で1番の枚数計数機にすること」(青山氏)。同社は平成13年に創業して以来、画像と光をテーマとした検査・測定のシステム開発一筋に取り組んでいる。
「既存製品の改造要望や画像処理の困り事などがあれば、当社に相談していただきたい」(青山氏)。スカイロジック(SKYLOGIQ)」とは日本語にすると、「空論」の意。同社では空論を現実にすることが技術開発であると捉え、ユーザーと話題になることをカタチにしていく考えだ。