ページの先頭です

日本HP、インクジェットデジタル輪転機の新プラットフォーム発表

革新的なデザイン採用〜操作性を追求したコンパクトモデル

 drupa2008での発表以来、その圧倒的な生産性と高品質な印刷仕上がり、そしてデジタル印刷機特有の柔軟性のあるシステム構成で全世界の印刷会社で導入されてきたインクジェット方式のデジタル輪転印刷機「HP PageWide Web Press(PWP)」。発表から約14年間にわたり進化を続け、印刷会社のビジネス成長を支援してきたPWPに、このほど新たなプラットフォーム「HP PageWide Advantage2200シリーズ」が追加された。今回、(株)日本HP・デジタルプレス事業本部の鈴木仁志氏とHP社のアジア・パシフィックにおけるPWPカテゴリーマネージャーのトニー・パグイリガン氏に、最新機種であるA2200の機能などについて聞いた。

dp_suzuki_tony.jpg

鈴木氏(左)とトニー氏

 「HP PageWide Advantage 2200シリーズ(PW A2200)」は、出版、ダイレクトメール、商業印刷、トランザクションのユーザー向けに開発されたHP PageWide Pressの新たなプラットフォーム。カラーで最高152m/分、モノクロで最高244m/分の高速印刷を実現。また、高カバレッジ印刷では、A4サイズのモノクロ画像を最大85,000枚/月、さらにパーソナライズされたA3カラー両面シート214,000枚(1シフトで換算)を印刷できる処理能力を有する。

dp_hp_pw_a2200.jpg

HP PageWide Advantage 2200

 加えて「HP Brilliant Ink」と2,400ノズル/インチの高精細プリントヘッドを採用することで、よりカラフルな一般書籍や教育書籍から、市場での差別化を可能にするインパクトのある高カバレッジのダイレクトメールまで、付加価値の高い多様なアプリケーションに対応。40gsmから最大300gsmまで幅広い坪量のメディアに対応し、印刷事業者が必要とする汎用性を提供する。

メンテナンスが容易な「シングルプリントアーチデザイン」

 新たなプラットフォームとして開発されたA2200の特徴の1つは、革新的なマシンデザインだ。PW A2200は、より少ないコンポーネントで構成される革新的かつ堅牢なペーパーパスを備えたシングルプリントアーチデザインを採用している。

 「従来のPWPは、半円形のプリントエンジンの設計であったが、PW A2200は、それをさらに小さくした四分円形のシングルプリントアーチデザインを採用することで、機械サイズのコンパクト化を実現している。さらに機械サイズをコンパクトにしたことで管理する部品の数を減らすことができ、これにより全体的な保守や修理の時間を短縮し、信頼性の向上と稼働時間の最大化を実現している。また、高さも3m以下、と他社メーカーとの遜色ないサイズを実現している」(鈴木氏)

dp_pw_a2200system.jpg

PW A2200のシステム構成

 機械本体の大幅なサイズダウンは、メンテナンス性の向上にもつながっている。具体的には、新たなプリントヘッドポケットを採用したことで、ヘッドの取り付け作業が簡素化されている。さらにシングルプリントアーチの円弧上の部分には、透明なアクリル製のフロントスライドドアを採用。視認効果の高いアクリルを採用したことで、アクセスポイントを外側からすぐに確認できるのでプリントヘッド交換など、オペレーターの作業性の向上にも寄与している。また、サイドドアを部分的にメッシュ形状にすることで、内部の稼働状況を目視確認することができる。

 「生産性の向上を開発コンセプトの1つとしており、専門エンジニアを待つことなく、オペレーター自身でメンテナンスを行うことで、ダウンタイムを短縮して稼働させることができる」(鈴木氏)