音羽印刷、自粛下の校正に効果[Webポータルシステム「EQUIOS Online」導入]
安心・安全と効率化を顧客と共有
音羽印刷(株)(本社/東京都文京区、土屋勝則社長)は、Webポータルシステム「EQUIOS Online」を活用したオンライン校正で校正作業の効率化を実現している。2020年から始まったEQUIOS Onlineによるオンライン校正は、自社業務の効率化というメリットだけでなく、行動制限などが求められていたコロナ禍における校正作業において、同社と顧客企業に大きな成果をもたらした。その結果、リモート勤務を余儀なくされていた顧客企業からは「在宅でも校正確認ができる」など、高い評価を得ている。
同社は1927年(昭和2年)、印刷文化の発展の地である東京都文京区で創業。以来、時代とともに目まぐるしく変化、多様化するニーズに対し、長年にわたって培った技術・経験を活かし「ものづくり」の観点から顧客のビジネス発展に貢献してきた。1967年には、新たな生産拠点として千葉工場(千葉県千葉市)を竣工。現在では、オフセット印刷やビジネスフォーム印刷をはじめ、バーコード印刷やシール印刷など、様々な印刷を手がけている。主な取引先は金融関連の顧客で、約款や帳票などの印刷物を受注している。2017年には、創業90周年を迎えている。
その同社では、既設ワークフローシステムであるTrueflowが更新期を迎えるにあたり、それに変わるシステムを模索していた。導入にあたり同社では「ペーパーレス化への対応」や「業務効率の改善」を実現できるシステムを採用条件として掲げ、加えてこれら条件の先にオンライン校正の実現を視野に入れていた。
他社システムも検討対象としていたが、既設のTrueflowとの親和性や同社が求める機能を完全装備したEQUIOSと、オンライン校正ができるEQUIOS Onlineの導入を決定した。
同社・生産本部プリプレス部ゼネラルマネージャーの山岸弘宜氏は、「当社は、リピートものが多く、システム移行による再現性などを考慮してEQUIOSを選択した」と、EQUIOSを選択した理由について説明する。
そして同社は、2018年12月にEQUIOSとEQUIOS Onlineを導入。導入後すぐの運用の移管も考えていたが、2019年5月1日の「改元」を控えていたことから、その対応が落ち着いた2019年11月、EQUIOSへのシステム移管およびEQUIOS Onlineのテスト検証に着手することとなった。
コロナ禍を追い風にオンライン校正を展開
同社が運用を開始したEQUIOS Onlineは、インターネットを介してクライアント・印刷会社・制作会社のスムーズな連携を可能にし、ミスやロスのない業務フローを構築できるWebポータルシステムで、リモートでの効率的な入稿・校正・進捗管理を実現する。これにより、印刷会社本来の営業活動や制作・製版業務のパフォーマンス向上を推進する。
2020年初旬に国内でも感染が確認された新型コロナウイルスの猛威は瞬く間に拡がり、2020年4月に首都圏を中心に緊急事態宣言が発出され、社会生活のすべてにおいて活動が制限されることとなった。仕事についても例外ではなく、多くの企業がリモートワークなどにシフトし、職場に出勤すること自体が減少していくこととなった。同社の校正業務もこの影響を受けることとなる。
最初の緊急事態宣言が発出された当時、同社は、校正紙を出力して顧客に郵送で届けることを実施。顧客側は、赤字を入れた校正紙をスキャンし、メールなどで返送するというもので、同社と顧客の双方に大きな負担がかかっていた。そんな時、オンライン校正の運用を告知していた顧客から、「ぜひ利用したい」といった声が強く寄せられたという。
同社・営業本部営業企画課マネージャーの鹿野明恵氏は、「コロナ禍は、当社だけの問題ではなく、お客様のビジネス停滞にもつながっていく。そのためオンライン校正の運用は、待ったなしの状況になった」と当時を振り返る。