メディック、商業施設の「賑わい空間づくり」に貢献
インク濃度を「出せる」〜リジッド対応で新領域へ
ワイドフォーマットUVインクジェット Acuity LED 1600II 導入事例
チラシやポスター、POP、ウインドウシートなど、「販売促進」という幅広い事業領域において、大判インクジェットプリンタによるアウトプット・制作業務を手掛ける(株)メディック(本社/東京都中央区築地6-16-1 築地616ビル、宮﨑昭彦社長)は昨年8月、富士フイルムのワイドフォーマットLED UVインクジェットプリンタ「Acuity LED 1600II」を導入。インク濃度による品質向上やリジッドメディアへの対応などにより、商業施設の「賑わい空間づくり」に貢献していく。
「販売促進」を一貫サポート
大判インクジェットプリンタによる販促媒体の出力業務で40年の実績を誇る同社。とくに、その売上のおよそ半分を占めるのが商業施設(ショッピングセンター)関連で、そのオーナーをはじめディベロッパー、不動産管理会社、広告代理店などが主要顧客だ。その他、ガソリンスタンドやカーシェアリングといった自動車関連でも強みを持つ。
「ショッピングセンターや自動車関連では長年の実績があり、その業務プロセスにおける高い経験値とノウハウ・知識が当社の重要な経営資産と言える」(宮﨑社長)
また、近年ではクリスマス装飾やハロウィン装飾といった「季節装飾」の分野でも数多くの施工実績を積み重ねており、販売促進における「守備範囲の広さ」がうかがえる。
前記の通り、大判インクジェットプリンタによるプロダクト業務を主体とする同社だが、企画営業やデザイン制作といったクリエイティブ部隊も社内に擁し、これら一貫体制で「販売促進」をサポートできることが同社最大の強みとなっている。
しかし、そんな同社もコロナ禍におけるイベント自粛をはじめとする人流抑制の影響から、経営に大きなダメージを受け、緊急事態宣言下では前年比6〜7割ダウンという試練も経験したという。当時について宮﨑社長は、「毎年大きなクリスマスツリーや桜の木を展示している商業施設がある。私たちが提供する装飾の周りはいつも、子供が駆け回ったり、写真を撮ったり、待ち合わせ場所になるなどの賑わいを見せていた。しかし緊急事態宣言下で施設が休業となり閑散とした状態に...。経営的なダメージも大きかったが、いままでにない閉塞感を感じ、精神的に辛かったことを今でも思い出す」と振り返る。
逆に、このコロナ禍で受注を伸ばした事業もある。イルミネーション装飾がそのひとつで、「こんな時だから少しでも明るく...」という人の感情が作用したのか、マンションや病院、工場などからの依頼が増えたという。
従来の仕事は現在、コロナ前の7〜8割程度まで回復しており、コロナ禍によって顕在化したイルミネーション装飾などの事業とあわせて、売上ベースでは当時の水準に戻りつつある。
「コロナをきっかけに、仕事を通して多くの方々との情緒的な繋がりを感じるようになった」(宮﨑社長)