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ニヨド印刷、「紙エコファイル」で脱プラ紙化商材の拡販加速

販促EXPOで来場者に製品サンプル配布

用途によっては、クリアファイルにはない様々な優位性も

 「紙エコファイル」は上下2枚の特殊な歯型の間に紙を挟み、加圧することにより綴じる技術を応用した紙製ファイルで、針金や接着剤などを一切使用することなく、加熱もせず、紙のみが材料のエコなファイルとなっている。また、使い終わった後は、紙資源としてリサイクルできる。一度使ったファイルを古紙として循環させることで、新たに投入される木材の量を抑制し、森林資源の保存に貢献できる。

 このため、クリアファイルと比べて「環境」に良いことは当然なのだが、御庄社長は「クリアファイルと比べて破れや水濡れに弱い、価格が高い、中身が見えないなど、デメリットは多い。しかし、そこはしっかり説明し、納得してもらった上で購入していただけるようにしていきたい」としながらも、用途によっては、むしろクリアファイルよりも優れている点も少なからずあることを強調している。

 まず、紙製であるためプラスチック製と比べて丈夫さに欠けるというところだが、御庄社長は「クリアファイルを何年間も使い続けたいというニーズは意外と少なく、例えば営業先に資料を渡したいときなど、そのままでは渡せないため、一時的な収納物として使えれば良いという声も多い」と説明する。このような使い方なら、紙製ファイルで十分であろう。

 また、「絶対に突っ込まれるポイント」(御庄社長)という「中身が見えない」という特性であるが、これについては逆に「セキュリティ面」に優れているというメリットを強調する。プラスチック製のクリアファイルのように中身がみえないため、秘密情報や個人情報の保護に有効で、プレゼンテーション資料や見積書、契約書の手渡しなどにも安心という訳である。中身について、すぐに分かるようにしたいという場合は、鉛筆やボールペンなどで表紙に書き込みができることもクリアファイルにはない優位性である。また、付箋を貼っても取れにくいというのも嬉しいポイントと言えそうだ。さらに現在開発中の「白系のクラフト紙」を使用した半透明の紙エコファイルであれば、書き込みがなくても内容を確認することが可能になる。

様々なエコペーパーを使用したオリジナルな紙ファイルを開発

 環境保全活動やSDGsに積極的に取り組む企業が増える中、昨今は紙ファイルに取り組む印刷会社も増えてきている。そのような中、同社が他社製の紙ファイルと差別化を図っていきたいとしているポイントの1つは、「見た目」をクリアファイルと似せた紙ファイルにしていることだ。

 「消費者にとって、クリアファイルとは、下にギザギザの部分があって、指を入れる場所があるものだと認識されていると思う。これがないものは単なる『封筒』と認識されてしまう。そうではなく、消費者がクリアファイルと認識できる紙製のファイルを作っていくことが、紙ファイルの普及につながるものと考えている」(御庄社長)

 同社の「紙エコファイル」では、紙を伸ばして絡み合わせるというエコ.プレスバインダーの綴じ方の性質上、下部には必然的にクリアファイルのような「ギザギザ」が出る。また、やぶれ防止のためのギザギザの上の「▽」の切り込みもある。当然、指を入れて開きやすくするための切り込みは、ロータリーダイカットシステムによりカッティングされている。

 また、触った感じもクリアファイルに似せたいというニーズには、光沢感のある「ミラーコート」を素材とすることで対応が可能だ。「これは本当に紙なのですかと驚かれることも多い」(御庄社長)という。コート紙やマット紙のほか、茶色や白のクラフト紙もお勧めだという。

 「FSC森林認証用紙などの『環境に優しい紙』を使えば、エコアイテムとしての価値をより強く認識してもらうことができる。竹紙やバナナペーパー、kome-kami(コメカミ)など、環境問題にとどまらず、貧困など他の社会的課題解決にまで貢献するエコペーパーを素材とした紙エコファイルも開発し、差別化を図っていきたい」(御庄社長)

 また、サイズについても定番のA4だけでなく、A5の開発にも取り組んでいく。さらに(株)山櫻の提供するエプソンのプリンターではノーコート紙のインクジェット出力が可能なため、無地ファイルを提供することもプリンターユーザーに提案していくという。

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様々な環境配慮素材を活用した紙エコファイルの開発に取り組む

販促EXPOで「紙エコファイル」のサンプルを展示

 同社は、7月6日〜8日に東京ビッグサイトで開催される販促EXPOに出展し、「紙エコファイル」をメインに、SDGsに貢献する様々な紙製品のラインアップを紹介する。

 「当社は今後、環境配慮型のノベルティーに印刷を関連付けたものを商材として組み立てたいと思っているので、紙エコファイルは大きな柱となる。社会的にも「脱プラ」は一大テーマであり、将来性もあると思うので、本気で取り組んでいきたい。販促EXPOでは、ブース来場者全員に『紙エコファイル』をお渡しできるように、たくさんのサンプルを用意していくので、ぜひブースに立ち寄ってもらいたい」(御庄社長)

 SDGs配慮型企業への変革を目指し、果敢な挑戦を続ける同社の取り組みが注目される。