木野瀬印刷、使いこなせるMIS「MIクラウド」
運用までを手厚くサポート〜「見える化」を支援
「印刷DX」が流行語のように使われ、MISの導入を検討する印刷会社が今後、さらに増えていくことは間違いない。だが、「どれだけ素晴らしいMISを開発しても、ユーザーが使いこなし、売上や利益を上げられなければ意味がない」と、木野瀬印刷(株)(本社/愛知県春日井市、木野瀬吉孝社長)の石井潤部長は指摘する。同社が自社用に開発し、長年にわたる運用の後、2018年から印刷会社に向けて販売しているクラウド型の経営管理システム「MIクラウド」は、印刷会社である同社が、実際にユーザーとして使いこなしてきた使い方を、余すことなく導入した印刷会社に提供しているため、「MISを導入したけど使いこなせなかった」という心配はない。半年〜1年間の期間をかけ、同じ印刷会社として課題や悩みに寄り添いながら、経営をサポートしている。
同社はもともと、メーカー開発のパッケージ型のMISを使用してきたが、ある時にサーバが故障し、危うくデータがなくなるリスクを経験したことがあるという。幸いにもデータは復旧したようだが、その時に「地震などの自然災害が増えてくる先々のことを考えると、クラウドのMISが安心だと考えた」と石井部長は話す。また、そのMISの機能自体は素晴らしいものであるようだが、「当社としては十分に使いこなせていなかった。そこで思い切って自社で自社専用のクラウド型の経営管理システムを開発することにした」(石井部長)。まさに冒頭の石井部長のコメントにあるように、「どんなに素晴らしいシステムであっても、使いこなせなかったら意味がない」わけである。
そして、自社の環境に最適なMISを2012年に開発して運用を開始。業界の市場縮小の流れで日増しに見える化の必要性が上がる中、「同業の印刷会社にも使っていただこう」との思いで2018年より「MIクラウド」として販売を開始。これまでに10数社が導入しており、「印刷会社による、印刷会社のためのクラウド型経営管理システム」は、メーカーではなかなか気付けない、同じ印刷会社だからこそ気付くことができる機能も充実させたシステムとして、ユーザーを満足させている。「当社も印刷会社なので、悩みや困りごとは似ているところがある。同業者として、そこに寄り添っていけるところがメーカー開発のMISと比べて、差別化を図れていることだと思う」(石井部長)
「見える化」の第一歩に
「MIクラウド」の機能には、経営管理・受注管理・生産管理などがある。ユーザーは必要な機能を追加したり、カスタマイズが可能。しっかりと使いこなせるようになるまでサポートすることを信条としているため、安心して導入することができる。さらに昨今は、オンラインを使用してのサポートも実施しているため、「遠方のユーザーであってもハンデなくサポートできる」(石井部長)。実際、現在も四国のユーザーにオンラインを活用しながら運用サポートを行っているようだ。
「MIクラウド」を使えば、単独使用であっても、案件や顧客ごとに売上やコスト、付加価値利益などを分析でき、利益創出を期待できる。また、クラウドのため、営業マンは外出先からでも自分が担当する案件の進捗状況をリアルタイムで確認することができ、この機能は多くのユーザーから支持されているようだ。
さらに、同社開発のグループウェア「MIツナガル」と連動して使用すれば、データベースを共有し、スケジュール管理や休暇申請、稟議書なども電子で完結できる。経営情報やクレーム管理なども、記録として蓄積していける。
そして現在、MIクラウドが、さらに「スモールDX」に寄与できるMISとなるために取り組みを進めているのが、他のクラウドソフトとの連携である。
「会計部門ではマネーフォワードとデータ連携できるように検証を進めている。また、グーグルワークスペースなどとの連携も模索しており、これらを複合的に使うことにより、スモールDXではなく、『印刷DX』を確立できるMISとなることを目指したい」(石井部長)。
将来的には、フリーソフトなどとも連携し、メルマガ配信などでマーケティングも行えるMISにしていきたいということだ。
価格は「スモール」、導入効果は「保証」
「MIクラウド」には2つのプランが用意されている。まず、MIクラウド単体でのみ使用できる「ライトプラン」。これは、初期費用50万円に毎月3万円。アカウントが30を超えると1つのアカウントごとに毎月1,000円が加算される。
そして、同社が推奨するのが「MIクラウド」と「MIツナガル」の連動により、様々な効果が期待できる「スタンダードプラン」である。それでも価格は初期費用70万円と、毎月の費用は6万円。アカウントは30を超えると1アカウントごとに毎月2,000円程度で、中小印刷会社でも十分に手の届く金額である。さらに、繰り返しになるが、運用までのサポートプランがあるため、『導入したけど失敗した』というリスクは軽減されている。それで「見える化」を実現し、コスト削減と付加価値向上により利益を生み出していけるなら、導入に迷う理由は見つからないだろう。
同社はpage2022に出展し、「MIクラウド」を多くの印刷会社に紹介する。石井部長は「今後もメリットのあるMIクラウドの使い方を開発し、それをユーザーに提供し、導入メリットの大きいMISを目指す」としている。「見える化」のはじめの一歩を踏み出し、少しでも「DX」をスタートしたいという印刷会社には、ブースで話を聞くことをおすすめしたい。