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クルツジャパン創立50周年記念インタビュー、表面加飾技術で日本の印刷業界に貢献

日本市場進出から50年〜今後も印刷物の高付加価値化を支援

─最も印象に残っている節目について

クルツ氏 1971年にクルツジャパン(株)が創設され、日本法人が拡大していったこと。クルツジャパンは、太平洋、欧州、米国市場における日本の大手ブランドの子会社やサプライヤーをサポートし、サービスを提供している。現在では、新しいデザイン機能について、クルツグループ全体が、ジャパンチームから恩恵を受けている。そして、サステナビリティのノウハウで日本のユーザーをサポートしている。

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ヘルベルト・クルツ夫妻の来日歓迎パーティー

─市場におけるクルツの特徴とは

クルツ氏 グローバル展開しているブランドをはじめ、ユーザーへのグローバルサービスである。魅力的な表面加飾から、センサー、自動車部品に組み込まれた照明、タッチ機能、デジタルトラック&トレース、デジタルデコレーション、ソフトウェア/データベースなど、ユーザーに最適なサービスを提供するために、常に拡大している。加えて幅広い種類の転写技術やその他の仕上げ技術により、それぞれの用途に最適な選択を行い、適切な加飾ソリューションを提供している。長期の経験により蓄積されたノウハウと能力を備えたエンジニアリング、セールス、マーケティング部隊も特徴である。ヨーロッパの企業として日本で長期的に成功してきた。

─R&Dへの投資について

クルツ氏 研究開発とイノベーションは、クルツが常に発展していくためのキーワードである。グラフィック、自動車内外装、セキュリティなど、クルツの主要分野に特化したR&D部門が、太平洋、ヨーロッパ、アメリカの主要な拠点にある。研究開発への投資は2桁の比率で、加えてデザイン、デジタル強化、新しいセキュリティ機能など、ユーザーにとって重要な分野への積極的なビジネス投資も実施している。

─コロナパンデミックの影響とその対応について

クルツ氏 ビジネス面では、幅広い事業ポートフォリオへの展開で、多くの分野にリスクを分散できることが、現在進行中のコロナ禍の状況下でクルツを支えている。パンデミック初期に大きな被害を受けた自動車産業のマイナスは、コンピュータ産業などのプラス効果で相殺される可能性がある。現在、多くの各国子会社や様々な産業分野において、2019年の水準、さらにはそれ以上の水準にまで回復する力強い動きも見られている。

─クルツが考える表面加飾の未来について

クルツ氏 製品を装飾することは、すべての製品にとって自然な要素である。そのため常にニーズがあると考えている。一方で、表面加飾の環境は一層大きく変化している。クルツは、これらの変化を常に分析し、世界中のユーザーに満足していただけるような答えを探し続けている。その中には、持続可能な表面加飾に関する回答も含まれており、私たちはユーザーが将来の規制の要件に合わせて製品を適応させることをサポートし、同時に私たちの表面加飾プロセスを環境ライフサイクルの第一選択とするために、新しい技術を発見し、投資してきた。これは、当社にとって重要な課題であり、ユーザーからも積極的な反応を得ている。

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表面加飾で印刷物などの高付加価値化に

 私たちは、グラフィック分野で、とくにデジタルデコレーションに強力な投資を行い、クルツグループに新しい会社を加えた。同時に、ソフトウェアやデータベースを含むセキュリティ分野やトラック&トレースにも大きな投資を行ってきた。クルツは、ユーザーの加飾工程の一連の流れの中で、デザインから完成品まで、新しいアプリケーションソリューションも含めて、主要なソリューションを提供している。日本のユーザーには、クルツジャパンを通じて直接サービスを提供し、グローバルなクルツの経験を共有することで、今後の日本市場での要求に応えていきたいと考えている。

 クルツの強みは、グローバルに事業を展開し、それぞれの市場のニーズや特殊な要求に対応できること。クルツジャパンは、その代表例であり、日本市場に対する私たちの献身の歴史であり、その結果、おかげさまで設立50周年を迎えることができた。