五色 / 国府印刷社、「印刷オンラインコミュニティ」開設
印刷業界のWeb事業立ち上げを支援
Webセミナーでノウハウ提供、会員相互の交流の場も
Web事業推進に役立つ4つのサービスを提供
「印刷オンラインコミュニティ」では、印刷会社のWeb事業の立ち上げや推進に役立つ4つのサービスを提供していく。その1つが、1ヵ月に2回程度の開催を予定している定期的なWebセミナーだ。
このWebセミナーは大きく2つの種類に分けられる。1つは南條氏や萩原氏など、印刷オンラインコミュニティ側からWebマーケティングの手法や立ち上げのノウハウなどの情報を発信するもの。そして、もう1つは広告代理店、またはクライアントとなる他業界から講師を招き、「印刷業界がWeb事業を行うなら、このようにしたらどうか?」など、外部から意見を出してもらうものとなる。
成功するWeb事業を立ち上げるためのノウハウは、とても1回で伝えられるものではないため、1回のWebセミナーの時間は約30分〜1時間程度。段階的に知識を蓄えながら、ステップアップしていけるものにしていく予定だ。
セミナーの内容について南條氏は「五色はマーケティングの本場であるアメリカにも支社を持ち、事業を展開している。海外の最新のマーケティング事例なども紹介していきたい」。また、萩原氏は「Web事業立ち上げのディレクションも内容に取り入れ、経営者だけでなく、制作部門など現場の人にも参考になる内容にしていきたい」としている。また、業界外の講師を招いてのセミナーでは、印刷会社のWeb事業について、外部からのリアルな意見を率直に語ってもらえるような内容を想定している。
そして、2つめのサービスが、会員相互の情報交換を図るための「場の提供」である。
「地方の印刷会社などでは、せっかくWebやデジタルについて学んでも、横連携する企業がなければ機会損失となってしまう。そのようなことがないように、Facebookのグループ機能を使用し、印刷オンラインコミュニティを運営していく。Zoomのブレイクアウトルームなども利用し、同じ悩みや目的を持った会員相互の情報交換を行えるようにしていきたい」(南條氏)
また、将来的には、リアルでの会員交流の場も考えていきたいということだ。
このほか、会員企業で動いている実際の案件について、個別にアドバイスを行うサービスも提供する。
「例えば、Web広告に取り組みたいが社内に担当者がいないとか、広告代理店に頼らずに行っていきたいなどの相談にも対応していく。集客面や新事業の立ち上げなどについても、具体的なノウハウを持っているので具体的なアドバイスを行うことができる」(萩原氏)
また、基本的に1ヵ月に3回まで、15分〜30分程度で個別の「お悩み相談」なども行っていく予定である。
7月14日に「無料Webセミナー」を開催
「印刷オンラインコミュニティ」は、これらのサービスを周知するため、7月14日 午後2時から無料Webセミナー「コロナ時代における印刷会社のWeb活用戦略と実際の成功事例」をZoomで開催する。
このセミナーでは、五色や国府印刷社が実際にどのようにWebマーケティングの知識を活かしてWeb事業を展開しているのか、そのノウハウを伝えるもので、Web事業の立ち上げからオウンドメディア、またコンサルティングとしての成功事例などの情報を提供する。
萩原氏から「社内Web事業の立ち上げ、運用について」、五色の南條氏から「オウンドメディアのマーケティング活用事例」について講演が行われるほか、業界外からはMtame(株)(2021年7月1日より「Cloud CIRCUS(株)」に社名変更)の矢嶋佑己氏が「印刷会社におけるコンテンツマーケティングの成功事例」について講演する。
「Web事業と一口にいっても、製作から運営まで幅広い。目的や背景、どこで、どのような人にアピールしていくのかも大事なポイントになる。作るだけでなく、どのように打ち出していくのかはマーケティングへの理解が必要になる。今回のセミナーは無料であるため、日本全国の多くの印刷会社の方に視聴していただきたい」(南條氏)
1社あたり1万円/月で印刷オンラインコミュニティの加入が可能
「印刷オンラインコミュニティ」の会員になる場合、会費は1社あたり1万円/月(税別)となる。1社につき何名でもWebセミナーの受講は可能。萩原氏は「リアル参加プラス、過去の動画については社内で共有していただき、1人でも多くの方に視聴していただきたい」。第1段階として、まずは100社の加入を目指す。
今後の展開として南條氏は「印刷業界、そして社会全体のデジタル化に貢献していきたい。デジタル庁の設置など社会からのデジタル化の要請に加えて、印刷業界では環境配慮なども求められている。そのような中、紙媒体だけでなく、Web系の販促もできるようになれば、印刷業界全体のイメージも向上していくはずである。これにより印刷業界を盛り上げていきたい」として、そのためのノウハウと情報提供を行っていく考えだ。
国府印刷社の有定社長は「コロナ禍でデジタル化への移行がさらに加速し、情報の伝達手段が変わった。これはアフターコロナも変わることはなく、印刷会社は変化を求められている時期に来ていると思う。このコミュニティに参加することよって、1社ではできないことも、同じ思いを持った印刷会社が集まることで、今後の進む道を模索し、良い方向に進んでいくことを期待している」とコメントする。
業界として先駆の取り組みとなる「印刷オンラインコミュニティ」。印刷業界全体のWeb事業の進展に貢献していくことを期待したい。