ページの先頭です

ユポ・コーポレーション、創業からの想いを「スーパーユポダブル」で実現

長年の課題を克服〜紙と同様に印刷できる「ユポ」開発

印刷会社の味方「スーパーユポダブル」

 「スーパーユポダブル」が印刷会社にもたらすメリットについて岡﨑氏は、「紙用油性インキで印刷できるのでユポ専用インキが不要となり、インキ替え作業もなくなる」と、専用インキのコスト削減効果と作業負荷の低減を挙げる。

 また、岡﨑氏は、これまで扱いの難しさから「ユポ」への印刷を避けてきた印刷会社でも、紙に近い感覚で印刷できるので新たな受注拡大にもつながると説明する。

 これまで「乾きにくい」「印刷しづらい」などを「ユポ」に対して抱いていた印刷会社も多いはず。しかし、顧客側は、それでも「ユポ」を指定して発注する。つまり、顧客は、耐水性や耐久性といった「ユポ」の特性を理解・評価している証拠だ。印刷会社側も、そのニーズは把握していたが、技術的な問題から、やむなく受注を断念、あるいは「ユポ」への印刷実績が豊富な協力会社に委託生産していた。

 しかし、紙に近い感覚のハンドリングで印刷できる「スーパーユポダブル」であれば、従来の作業で印刷できるので「ユポ」指定案件以外でも「ユポ」の特性を生かせる案件に対し、積極的に「ユポ」を推奨することができるようになり、新規受注獲得につながりうる。そのため同社では、キャッチコピーに「印刷会社の味方」を掲げている。


yupo_202015_3.jpg
印刷会社の味方「スーパーユポダブル」


 また、速乾性、つまり従来の両面対応品と比較して乾燥時間が約半分になったことも、大きな特徴の1つだ。

 乾燥時間は、納期を左右する重要なポイントといえる。これまでは、乾燥時間の判断が難しく、納期に影響を及ぼす、また、乾燥状態を見誤ったことからトラブルが発生するなど、印刷会社にとって「ユポ」の乾燥時間は、未確定要素の大きいものであった。しかし、「スーパーユポダブル」では、この課題を大幅に改善している。

 「テストユーザー様では、重たい絵柄を表面印刷したあと、同日中には問題なく裏面印刷を行うことができた」(岡﨑氏)

UV乾燥装置がなくても簡単に印刷が可能に

 「ユポ」を上手く扱う印刷手法として、瞬時乾燥が可能な各種UV印刷が挙げられる。UV印刷であれば、乾燥時間もなく、また、パウダー散布などの必要がない。このため、「ユポ」の印刷に最適な設備といえる。しかし、UV印刷と油性印刷では、その印刷仕上がりに若干の相違がある。それはグロス感だ。油性印刷では、光沢感のある鮮やかな仕上がりとなり、一方のUV印刷では、油性印刷と比較すると、やや沈んだ印象に仕上がってしまう。実際に、生産性向上を目的に各種UV乾燥装置の導入が増加しているが、逆に油性印刷の仕上がり品質にこだわる印刷会社も少なくない。


yupo_202015_4.jpg
優れたインキ速乾性を実現


 油性印刷が可能な「スーパーユポダブル」は、グロス感を損なうことなく、鮮やかな印刷仕上がりを提供する。また、UV乾燥装置に関連する各種資材が不要のためコスト削減にも貢献できる。

 「一般的には、UV印刷が、『ユポ』に向いていると思われているが、実際には『ユポ』の特性を知った上での調整など、難しい作業が必要となる。しかし、油性印刷であれば、従来作業の延長なので紙に近い感覚で『スーパーユポダブル』を扱えるはず。そのため油性印刷を主軸としている印刷会社の皆様には、ぜひ、印刷テストを試して頂きたい」(岡﨑氏)

 各種UV乾燥装置を設備していない印刷会社でも、自信をもって「ユポ」を印刷することができる。加えて、印刷の網点太りがほとんどなく、コート紙と同様の優れた色再現性を実現する。これも「スーパーユポダブル」の特徴だ。

「使いづらい」から「使いやすい」資材に

 同社では、今後の販売戦略の1つとして、油性印刷を主軸としている印刷会社に「スーパーユポダブル」を提案していく。また、そのための施策として「スーパーユポダブル」による印刷テストも随時受け付けている。

 「印刷会社様で『ユポ』の仕事を受注した営業の方が現場から怒られた。これは嘘のような本当の話。そのため、お客様とのご商談時に、既に『ユポ』は、資材の検討対象から外されるといったことも現実にある。当社は、この状況を『スーパーユポダブル』で払拭していきたい。そのため印刷適性だけでなく、可能な限りの用紙厚もラインアップしている」(細川氏)

 同社では、「スーパーユポダブル」の使用用途について、とくに言及していない。それは「スーパーユポダブル」は、すべての印刷会社が使用できる資材であるからだ。

 「それぞれの印刷会社様が既存の印刷物に、あるいは新規受注案件の資材として『スーパーユポダブル』を活用できるので、アイデア次第で新たな付加価値創出にもつながっていくと思っている」(細川氏)

 現時点までに約200社で印刷テストが実施されているが、そのほとんどで「スーパーユポダブル」の性能が高く評価されている。

「環境経営」の方針を発表

 2020年10月に行われたWeb発表会において同社は、「ユポ・コーポレーションが果たす『環境経営』」として「温室効果ガス(二酸化炭素)排出量の削減に貢献する製品の拡充」「リデュース(減プラ)製品の提供および用途開発」「独自のユポリサイクルシステムサービスの提供」と3つの方針を打ち出している。これは、環境負荷低減に取り組み、顧客に製品、サービスを提供することで脱炭素社会、循環型社会の実現を目指していくもの。今回、発表した「スーパーユポダブル」は、バイオマス樹脂を一部配合したユポグリーンシリーズであり、CO2排出量削減にも貢献できる製品となっている。