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新社長インタビュー|石川特殊特急製本(株)石川 敬一 社長

製本の「駆け込み寺」に 〜 技術収集し、製本以外の加工にも着手

御朱印帳、コースターなどBtoCに注力

 これまではBtoBのビジネスばかりであったが、近年は御朱印帳をはじめ、コースター、フォトブックなど、BtoCの展開に力を入れている。これまでは自社の商品をエンドユーザーに直接販売することはなかったが、その提案活動の面白さにはまっている。

 大阪のギフト・ショーや東京のフォトネクスト、OGBSなどの展示会に出展し、来場者の意見を聞きながら新しい展開を図っている。ちりめん素材の表紙を使用した御朱印帳や、御朱印帳カバーなども来場者の声を形にした商品である。

プレミアム品質のフォトブックサービスが好調

 オンデマンド印刷機は、今年の2月に富士ゼロックスのプロダクションプリンター「Iridesse」を導入し、これまでとは違う付加価値を提案できるものとして活動を展開している。

 また、キヤノンの「DreamLabo」によるプレミアム品質のフォトアルバム事業も順調に推移している。サービス開始当初はブライダルの仕事のみだったが、昨今は七五三や記念誌、また幼稚園や小学校で作った絵や工作などをスキャニングして「DreamLabo」で出力して製本して届けるサービスが好評となっている。クラボウの「オーバーヘッドスキャナ」を導入したことで、スキャニングもほぼ写真品質で実物感があるものが可能になった。これらの強みによりフォトブックのサービスも伸ばしていく予定だ。

あらゆる加工に対応できる製本工場に

 「製本の駆け込み寺になれ」。これは先代が常々言っている言葉だが、これについて私もまったく同じ考えで、現在、技術収集と設備強化を進めている。そして最終的には製本だけでなく、あらゆる加工に対応できる会社を目指したい。

 現在、当社の正社員は310名いるが、これに対してパート社員は10名以下である。これには当社の「製本技術」を多くの社員にしっかりと技術伝承し、顧客の要望にスピーディーに応えていきたいという思いがあるからである。コアの技術は人海戦術でこなしていく体制を構築している。

 受注した仕事に対して「できません」では当社のポリシーに反する。当社は社名のとおり、特殊な製本を特急で仕上げる会社でなければならない。今後は製本だけでなく、その他の加工についても貪欲に取り入れていくつもりだ。

顧客の「ワガママ」を叶えていける会社に

 紙だけでなく様々なマテリアルを活用して製本したいという顧客の要望にも応えていきたい。「御朱印帳袋」なども顧客のアイデアを形にしたものの1つである。

 製本の加工技術を収集し、「ワンオフ品」も作れる会社を目指す。そのために技術と知恵を集約し、それをもって高収益を達成したい。

 これからも顧客のわがままを叶えられる会社を目指し、前向きにその実現に向けて取り組んでいく所存だ。


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【プロフィール】
いしかわ・けいいち
1984年11月30日生まれ。36歳。中学〜大学時代は弓道部に所属。趣味は弓道の観戦など。