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大同至高印刷、小ロット対応の課題克服〜商品開発力にデジタル印刷を付加

特殊印刷の生産機としてHP Indigo 7900 デジタル印刷機が稼働開始

デジタルの強みを活かした新商品開発へ

 コロナ禍の市場環境を反映し、現在、多くの受注を獲得している「マスクケース」だが、同社では、10年ほど前から商品ラインアップの1つとしていたという。その当時は、多くの受注が舞い込むような商品ではなかったが、現在では、多種多様なマスクケース生産のオーダーが殺到している。そのため、以前は手作業で成型していたマスクケースの最終作業も後加工機を導入し、自動化成型を図っている。現在は、マスクケースの生産を重点的に行っているが、今後はデジタル印刷機の強みであるバリアブル印刷機能などを活用した新たな商品開発なども計画している。


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後加工機の導入でマスクケース成型の自動化を実現


 現在、同社内で考案した独自のデザイン形状の商品をデジタル印刷技術とダイカット加工などの高度な技術を組み合わせて提供しているが、今後は、その適用範囲を広げ、特殊インキやHP SmartStream Designerの機能であるHP Mosaicを活用し、可変デザインを使用した特殊効果を広範に利用したサービス提供も行っていく。これにより同社は、専門性の高いサービスを重視する顧客からの「より創造的で高度な要望」に応えることが可能となる。

 「現在、PPやPETシートなどに対し、オフセット印刷やシルク印刷したものをダイカットや特殊な貼り加工を加えたオリジナル商品を提供している。今後は現行の商材の小ロット品の印刷や校正からスタートさせ、いずれ、HP Indigoの特性を生かした販促商材を独自のアイディアで新たに作成、提案していこうと考えている」

 さらに川瀬社長は、将来的な構想として、HP Indigo 7Kデジタル印刷機へのアップグレードも視野に入れている。


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現場スタッフ(右からオフセットリーダーの久野氏、研修生のジェウさん、加藤工場長)とともに新たな挑戦を開始


新たな取り組み「大同農園食堂」

 同社は今年7月、「大同農園食堂」を立ち上げ、社員食堂として従業員に安心・安全な食材を使用し、かつ栄養バランスにも配慮したランチを日替わりで提供している。この「大同農園食堂」は、「良い食事を心がければ体は輝き、食事を美味しく食べることで心は幸せになる」との想いから、川瀬社長が立ち上げたプロジェクトである。実際に「大同農園食堂」立ち上げ後は、体調不良による従業員の欠勤はなくなり、なによりも従業員が食事を楽しみにするようになったことが大きな効果といえる。


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大同農園食堂の公式サイトも開設


 「若い従業員は、栄養が偏った食事が多く、そのため健康に影響を及ぼすこともある。コロナ禍の現在では、とくに健康に注意する必要があるので、食事を通じて従業員の健康促進をサポートすることができればと考えている」

 さらに川瀬社長は、この「大同農園食堂」について、壮大な計画を予定している。それは、「大同農園食堂」をレストラン化して、一般の方にも利用してもらうことだ。

 「高齢の方などは、食事を作ることも面倒になり、コンビニなどで惣菜を購入している。もちろん、それ自体を否定する訳ではないが、せっかく食事をするのであれば、安全で安心、かつ、美味しい食事を楽しんでもらいたい」

 川瀬社長は、すでに同社近隣の土地をこのレストラン建設の候補地としてピックアップしており、将来的には従業員の安全衛生だけでなく、地元地域にも社会貢献できる事業につなげていく計画だ。