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トップインタビュー|コダックジャパン 藤原浩社長に聞く

IT技術の有効活用が鍵:他産業との協業に「成長の芽」
SONORA 3割強の拡販へ 〜 パッケージ分野で新たなブランディング

──コダックジャパンが掲げる2020年の最重要テーマは。

 今年もブレることなく「お客様の経営パートナー」としての地位を深めていきたいと考えている。お客様の成功なくして我々の成功はありえない。お客様の悩み事を解決するポケットをできるだけ沢山持って、提案、サポートしていくことが今年のコダックジャパンのメインテーマとなる。

 とくにSONORAのリーダーシップの揺るぎない地位を磐石なものにしていきたいと考えている。

 SONORAについては昨年同様、今年も3割強の拡販を目指す。まず、前述のように、中堅以上の印刷会社への訴求がひとつ。加えて、昨年11月にリリースした「SONORA CX2」の訴求がある。CX2は、無処理版の課題とされるUV耐刷性、視認性、耐傷性のすべてを高めた結果、印刷市場の9割以上の仕事をカバーできる新製品。特色での耐刷性も高まったことから、既存の商業・出版印刷分野に加え、パッケージ印刷分野にも本格参入する。インクジェット分野も含め、「パッケージに強いコダック」というブランディングにも乗り出す。


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──今年はdrupaの年。出展情報についてお聞かせ下さい。

 まだ、詳細は公表できないが、無処理版では、耐刷性、視認性を高めた次のバージョンが発表されることを想定しており、CTPは高速化、リモートコントロールの仕組みのアップグレードになると思う。

 ワークフローについては、クラウド、サブスクリプションモデルに加え、サービス、機能の充実が計画されている。

 また、インクジェット分野では、次世代インクジェット技術のプラットフォーム「ULTRASTREAMインクジェットテクノロジー」関連の進展がハイライトになるだろう。ULTRASTREAMを搭載したSapphire EVOが発表される予定なので大いに期待したい。

──最後に2020年の幕開けに際し、印刷業界へのメッセージを。

 日本の経済自体は比較的堅調だが、紙の需要における環境の厳しさは依然として続くだろう。

 印刷業界が生き残るためのキーワードは「他産業とのコラボレーション」である。IT分野はその内の最有力候補となるが、ITに限らず、他産業との関わりの中で、協働、開発、ビジネスモデル構築などを進めることで次の成長への道が拓けるのではないだろうか。

 まだまだ、紙の需要は下げ止まりそうになく、暗中模索の状況。そこに光明があるとすれば、それは他産業とのコラボレーショによる成長の芽を見つけることではないだろうか。