トップインタビュー|ハイデルベルグ・ジャパン、ヨルグ・バウアー社長に聞く
技術と創造力で印刷業界を支援 〜 お客様のために最善を
──それら課題に対するハイデルベルグとしての取り組みや提案など。
バウアー 私たちは、お客様が目指す目標とターゲットを理解し、現在の生産性や課題を分析しながら、お客様とともに取り組んでいる。そして、計画が立案されれば、その目標やターゲットを達成するために、お客様を全力でサポートしていく。私たちのPush to Stopソリューション、完全自動運転印刷とナビゲート印刷、同様にワークフローとライフサイクルマネジメントの提案などは、お客様が目標を達成するのに役立っている。そして、これらすべてと印刷必需品を組み合わせた最大のパッケージが、私たちのサブスクリプション提案である。
──サブスクリプションが印刷産業にもたらす効果、日本市場での普及について。
バウアー 昨年9月に発表したサブスクリプションへの日本のお客様からの反応は、非常にポジティブである。私自身、お客様と話す中で、さらに関心は高まるのではないかと思っている。正直、私たちがとても心配していたのは、お客様個人のニーズにフィットしたサブスクリプションを提案し、協力して計画を立てていくために、お客様の現在のコストや課題を私たちと共有していただけるかどうかであった。
しかし、多くのオーナーは、棚卸などの情報に対して完全にオープンであった。印刷会社に、よりクライアントに集中してもらう、そして私たちが生産のアウトプット、その結果についてのオーナーシップをもつという提案は、本当にウィン・ウィンの関係である。
私は、サブスクリプションとサース(SaaS)は、長期的に私たちのビジネスの屋台骨となると確信している。なぜならば、繰り返しになるが、本当にウィン・ウィンの関係、さらにクライアントを含めるならば、ウィン・ウィン・ウィンの関係が創造できるからである。そうした状況を獲得するために、私たちは、サブスクリプションのお客様をコンスタントに増やし、スタッフを教育し、求められるだけ、これらのサービスを提供していきたいと考えている。
──昨年、日本導入1号機が稼働を開始した「プライムファイア106」の今後の販売戦略など。
バウアー 2019年にプライムファイア106の日本1号機、そして2020年には2号機の納入ができればと考えている。私たちは少部数のパッケージにおいて、さらなるポテンシャルを感じている。「百聞は一見にしかず」ということで、私たちはパッケージ業界のリーダーの方たちを迎えて日本初の導入ユーザー先でオープンハウスを開催した。インダストリアルインクジェット機であるプライムファイア106は、小ロット印刷が経済的に素早く生産できるので、中大ロット印刷を大変効率的に生産できるオフセット印刷とパーフェクトマッチできる。さらに、プライムファイア106は、超小ロット、もしくは、完全なパーソナライズ印刷といった新しい付加価値を提供できる。
──新社長としての抱負を。
バウアー これまでハイデルベルグが皆様の良きビジネスパートナーとして最善を尽くしてきたように、私もこれから社員とともに皆様のために全力を尽くしていきたい。
【ヨルグ・バウアー社長 略歴】
▽生年月日=1964年5月18日(55歳)
▽国籍=ドイツ
▽出身地=ハイデルベルグ
▽学歴=オッフェンブルグ大学
▽趣味=バイクツーリング、洋楽鑑賞
〈職歴〉
▽1990年 サービスエンジニアとしてドイツハイデルベルグ社入社
▽1993年 ハイデルベルグ・ジャパン 技術サービス本部技術部部長付
▽1997年 同社・販売促進本部営業推進部部長付
▽1998年 同社・管理本部グループリーダー
▽1999年 同社・管理本部 IT部 執行役員
▽2000年 ドイツハイデルベルグ社・プリネクト製品部 部長
▽2008年 ハイデルベルグ・ジャパン 執行役員 プリネクト本部 本部長
▽2010年 同社・執行役員 プリネクト・CtP・コンシューマブル本部 本部長
▽2011年 同社・取締役 プリネクト・CtP・コンシューマブル本部 本部長
同年 同社・取締役 カスタマーサービス本部 本部長
▽2017年 同社・取締役 営業本部 本部長
▽2019年11月 同社・代表取締役社長就任 現在に至る