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田中手帳、発災時のコミュニケーションブックがMUDコンペ受賞

「コミュック」を手に田中社長

 田中手帳(株)(本社/大阪市住之江区、田中尚寛社長)は、第14回メディア・ユニバーサルデザイン(MUD)コンペティションにおいて、発災時に役立つコミュニケーションハンドブック「コミュック」で佳作を受賞した。
 同商品は、発災時に聴覚障害者などのハンディキャップを持った人々に向けて、デジタルインフラ復旧までの初動の助けになるものとして開発したもの。ユポ紙を使用しているため、耐水性に優れているだけでなく、耐久性、筆記適正にも優れている。また、ユポ紙は水に濡れると紙と紙が貼り付いてしまいページが捲りにくくなるという欠点があるが、項目別に同社が得意とするインデックス加工を施すことで、手袋をはめた状態でも開きやすくしている。
 「2019年末に開発した第1号の『コミュック』はMUD対応にはしていなかったが、今回、多方面からのアドバイスや協力を得て、個人の色の感じ方の差や年齢などに関係なく、多くの方に正確に情報が伝わるMUD対応とした。見やすく分かりやすいフォントやデザインを採用している」(田中社長)
 「コミュック」は、ページを捲ると緊急時の救急車手配のお願いから災害状況の確認、情報収集、避難所での共同生活での必要事項などがインデックスで分類されており、聴覚障害者はこれらを指さしするだけでコミュニケーションをとることができる。現在、防災方面のプロフェッショナルの監修なども得て価値を高めていくための準備を進めており、田中社長は「発災時におけるリスクマネジメントの認識はまだまだ低いと思われるが、気運の高まりに期待したい。インバウンド向けのハンドブック制作も視野に入れていく」としており、今後もブラッシュアップしながら発災時の緊急アイテムとしての機能を高めていく姿勢を示している。

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