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有明印刷(熊本)、破産手続きへ - 負債2億7,000万円

 (株)有明印刷(熊本県玉名市寺田123-1、設立1974年6月)は8月4日に事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任した。負債総額は約2億7,000万円。

 1961年4月に創業した印刷業者で、玉名エリアの有力企業や官公庁を中心に営業基盤を構築。平成に入り熊本県外への営業展開により売上が伸長し、1996年5月期には約19億2,000万円の売上高を計上。しかし、不良債権の発生もあり、同期は約3億7,400万円の赤字を計上した。

 その後は、最大の取引先が倒産したほか、販路選別の強化などにより2001年5月期以降は年間売上高が10億円を割り込んで推移。さらに、官公庁入札の熾烈化、印刷需要の低迷などから、2010年5月期以降の年間売上高は約5億円まで減少していた。

 2016年4月には熊本地震が発生し、本社工場が被災。建物と機械設備が被害を受け、2016年5月期の売上高は約4億5,000万円にとどまった。過去の大口不良債権の傷跡が大きいなか、売上減も加わり借入負担が重い状況が続き、金融円滑化法を活用した返済緩和を取引行に打診するなどして減額返済を続けてきた。

 しかし、印刷需要の回復が遅れたことに加え、「新型コロナウイルス」の影響で売上がさらに落ち込み、業況改善が見込めないと判断。事業を停止し、今回の措置となった。
(東京商工リサーチ調べ)

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