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DMT Solutions Japan、Bell&Howell社のインサーター提供

スイングアームで業界最速、空気圧グリッパーで厚物封入も安心

 2020年の米大統領選挙で話題になった「郵便投票」。その投票用紙の送付と返信郵便の仕分けに最も活用されたのは、米国コネチカット州に本社を構えるDMT Solutions Global Corporationのインサーターと仕分けシステムだ。その日本法人として2018年に設立されたDMT Solutions Japan(株)(本社/東京都品川区南大井、宮本啓志社長)は、DMTブランドの高速インサーター「BLUECREST」に加えて、Bell&Howell社の高速インサーター「FORERUNNER EXCEL」の日本市場への販売に乗り出している。本来なら競合であるメーカーの製品を販売する真意には、自社製品だけを販売したいというメーカー本位の考えではなく、メーカーの垣根を越えてでも「日本の印刷業界にイノベーションを巻き起こしたい」という業界の発展を願う思いがある。


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宮本社長(左)と黒山事業開発部長

 DMT Solutions Global Corporationは、世界19ヵ国で事業展開するグローバルテクノロジー企業。郵便事業者や印刷会社、受託会社を中心に、全世界に3,500社以上のユーザーを有している。日本法人であるDMT Solutions Japan(株)は2018年、ピツニーボウズジャパン(株)のDMT(Document Messaging Technologies)事業が分離して独立した企業。製品ブランド名の「BLUECREST」は、ピツニーボウズのコーポレートカラーである「BLUE」と、ユーザーと共に目指していく「CREST(頂点)」から命名されたものだ。


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米国コネチカット州のDMT Solutions Global Corporation 本社

 その同社が現在、最も販売に注力している製品は、Bell&Howell社(本社/米国北カリフォルニア州)の高速インサーター「FORERUNNER」だ。日本市場には「FORERUNNER EXCEL」のブランド名でpage2023に出品した。そしてこのほど、その1号機がサービス・ビューローの江澤事務器(株)(本社/愛知県清須市)に納入された。しかし、なぜ本来、競合メーカーであるBell&Howell社のインサーターを販売しているのか。これについて宮本社長は、「DMT Solutions Global Corporationは、各国の事情に即してビジネスを展開していいという柔軟な考えを持っている」と説明しており、日本のDM市場をさらに活性化していくためには、大型の「BLUECREST」だけでなく、小型で導入しやすいBell&Howell社のインサーターも不可欠であると判断したことを理由としている。そして、その旨をアメリカの本社に相談したところ、承諾を得ることができ、Bell&Howell社と独占販売契約を締結。本来なら競合メーカーである同社の新台インサーターを販売できることになった。

 黒山浩明事業開発部長は、Bell&Howell社のインサーターについて「当社のインサーターと比べるとサイズも小型のため、中小企業や町工場の多い日本の印刷会社に納入しやすいといえる。また、国内のDM市場は『スイングアーム方式』のインサーターにシンパシーを感じていると認識しているが、当社のインサーターはスイングアーム方式ではないため、スイングアーム方式で業界最速を誇るBell&Howell社のインサーターの取り扱いを開始した」と説明する。

 ピツニーボウズのDMT事業部であった時代は、「ピツニーボウズの製品だけを世界中に供給する」というミッションがあったため、DMTの製品にフォーカスできない部分もあったようだが、「現在は、自分たちのやり方にフォーカスできるため、以前よりも、やりやすくなっている」(宮本社長)。

 宮本社長は、「世界中の先進的なテクノロジーを日本のDM業界に紹介し、広げていくことで業界の発展に貢献していきたい」という思いを持っている。ピツニーボウズのDMT事業部と分離して独立したことで、従来よりも広がりのあるサービスの提供が可能になっていることは間違いないといえるだろう。

スイングアームの草分け。業界最速の最高1万3,000回転/時を実現

 Bell&Howell社は、スイングアーム方式を世界初で開発したメーカー。国内市場向けに販売している「FORERUNNER EXCEL」は、スイングアームタイプのインサーターとしては業界最速(2023年1月現在)の最高1万3,000回転/時のサイクルスピードを誇り、新設計の空気圧方式のグリッパーアームは、より確実に厚い同封物を掴み、デュアルデッキアキュームレーターは、高い生産性を実現する。加えて12基までの同封物フィーダーと3チャンネルまでの帳票供給部が構成可能になっており、高い拡張性も兼ね備えている。


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BlueCrestの多機能高速フラッグシップ機「EPIC」

 宮本社長は「Bell&Howell社のインサーターは堅牢性に優れているのが特徴。前身モデルの『メールスターMS5000』を40年以上使い続けているユーザーもいる。価格は高額であっても、長期的に安心して使えるという観点から、トータルコストで判断していただきたい」と話す。また、製品の納期についても「競合メーカーの中には、納期に1年以上かかるところもあると聞くが、FORERUNNER EXCELは約6ヵ月で納入できる。また、BLUECRESTについても約9ヵ月の納期で納品でき、アドバンテージの1つであると自負している」(宮本社長)と、業界最速のスピードだけでなく、長年にわたり使い続けることができる堅牢性、そして受注後の短納期納品を優位性として強調する。

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