近年のサプライチェーンの問題と地政学的な動向は、持続可能性への関心の高まりとともに、二酸化炭素排出量の最小化を重視するサプライヤーから信頼性の高いプレートの供給を求めるオフセット印刷会社にとって課題となっている。
コダックは、厳格な基準に従って高品質で技術的に高度なオフセット印刷プレートを製造してきた長い歴史があり、世界で初めて、かつ最も長く続くプロセスフリープレートのサプライヤーとして、今年で20周年を迎える。
東京駅から北西に70キロ離れたコダックのプレート製造工場である群馬工場は、より環境に配慮した国内生産に対する同社の取り組みを明確に示している。日本の本州に位置し、国内に確立されたサプライチェーンと物流インフラにより、コダックのプレートは迅速かつ効率的に出荷され、日本全国のユーザーにタイムリーに供給される。
群馬工場
国内製造+プロセスフリー=魅力的な持続可能性の利点
国内製造のプレート調達は、輸送ルートの大幅な短縮で効率化されるため、二酸化炭素排出量削減に繋がる。さらに、SONORAプロセスフリープレートの場合、製品自体が従来の有処理プレートと比較して持続可能性に優れており、環境への影響も少なくなる。
従来の有処理プレートからSONORAプレートに切り替えることで、従来のプレート処理に必要な電力、水、現像液、補充液、ガム液およびフィニッシャーが不要になる。化学薬品を一切使用せず、自動現像機の清掃やメンテナンスも必要なく、現像関連の廃液は発生しない。さらに、印刷会社は安定性のあるプレートによって、より信頼性の高い印刷準備が可能になり、現像処理不良によるダウンタイムや紙のムダがなくなる。これは、SONORAプレートのユーザーが製版作業を合理化することで印刷にかかる時間を大幅に短縮し、納期を短縮できることも意味する。また、これらすべてが二酸化炭素排出量の点でも大きな違いをもたらす。
SONORAプレートの最も重要な特長は、画質、生産性、耐刷安定性を犠牲にすることなく、印刷会社がより環境に優しく、資源を節約しながらビジネスを運営できる点にある。これらの利点を享受する日本の印刷会社は増え続けており、SONORAプレートは現在、日本におけるコダックのプレート生産量の60%以上を占めている。
日本国内市場向けの日本製プレート
群馬工場を管掌する群馬事業所長である佐々木充が、日本でのSONORAプレートの生産と顧客への納入に関するいくつかの質問に答えている。
佐々木 群馬事業所長
─コダックにとって、日本国内にプレート製造と関連する研究開発拠点を置くことが重要なのはなぜか?
佐々木 日本市場では、印刷プレートに対し、高品質で安定した性能がとくに求められている。当社がこうした高い要求に応え、お客様への納期厳守を保証するためには、独自の研究開発による国内でのプレート製造が極めて重要。さらに、国内製造はコダックが日本市場で競争力を維持し、プレート事業を継続的に成長させるのに不可欠である。
─国内で製造されたコダックのプレートを使用することで、日本の印刷会社にどのようなメリットがあるのか?
佐々木 国産コダックプレートの技術的特長と性能は日本の印刷業界のニーズに最も適している。私たちの顧客の多くは在庫を厳しく管理し、在庫を低く抑えようとしているため、需要が急増した場合に迅速に在庫を補充するには、国内のサプライヤーが理にかなった選択である。国内での製造により、コダックは短い輸送ルートで堅牢かつ柔軟なサプライチェーンを提供し、顧客へオンタイムの出荷を保証することができる。
─群馬工場では、プレート生産をより省資源で環境に優しいものにするために、どのようなプロセスを導入しているのか?
佐々木 群馬工場で生産されるKODAKプレートは、ISO14001認定プログラムの対象であり、環境、健康、安全基準への取り組みの一貫性が保証されている。当工場では、環境への影響と廃棄物の削減に継続的に取り組んでいる。工場で消費されるアルミニウムは、ほぼすべてオフセットプレートとして出荷されるか、リサイクルされる。コダックは、可能な限り廃棄物の削減とリサイクルに取り組むことで環境への責任も果たしている。
─SONORAプロセスフリープレートが牽引し、国内ビジネスは順調に発展しているようだが、この成功の要因は何か?また、今後SONORAに期待するものは?
佐々木 群馬工場で製造されるSONORAプロセスフリープレートは、高速イメージング、高解像度、優れた再現性や取り扱いの堅牢性など、他のプレートにはない品質とアプリケーションの利点に加え、優れた持続可能性の特性を兼ね備えている。継続的な製品改良と信頼性の高い供給、そしてお客様への献身的な技術サポートにより、SONORAプレート事業は大きな成長を遂げている。私たちは、こうした環境に優しいプレートの使用ニーズが将来にわたって続いていくと予想している。
コダックは、今後もプロセスフリー技術の継続的な開発に投資することをコミットし、オフセットプレートの技術革新をリードしていきたいと考えている。