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ケーニヒ&バウアー、パッケージ向けB1機「VariJET106」が省エネ補助金対象に採択

2024年11月15日

 ケーニヒ&バウアー社のパッケージ印刷向けB1インクジェットVariJET106(バリジェット)がこのほど、令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金「(Ⅰ)工場・事業場型」における先進設備・システム3次公募に採択された。パッケージ向け枚葉インクジェット機としては日本初の登録機となり、条件を満たせば対象経費のうち、中小企業では最大で3分の2、大企業では最大で2分の1の補助率が適用される。


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VariJET106


複合的な特許技術をもつB1ノンインパクト・インクジェット機


 ケーニヒ&バウアーとダースト社との合弁会社であるケーニヒ&バウアー・ダースト社のVariJET 106デジタル・パッケージ印刷機は、drupa2024で初めて紹介され、その高い印刷品質と仕様の柔軟性で、デモンストレーション中に来場者から大きな称賛を受けた。とくに、複数のコーティングユニットを追加できる可能性は来場者の大きな関心を得た形だ。

 また、VariJET106に採用されている水性インクテクノロジーは、SQTS(スイス品質検査サービス)によるテストのほか、ネスレ基準、スイスオーディナンスなど多くの食品安全包装に関する基準に準拠している。

 同機は日本においても特許を取得済みで、すでに欧州では2社のベータカスタマーに納入されており、さらに新たな顧客(欧州)への設置も予定されている。


グループの幅広い製品ポートフォリオからのモジュール設計


 ケーニヒ&バウアーは、最大2万2,000枚/時の印刷速度を持つ、コーターと延長デリバリーを備えた世界最速のB1枚葉オフセット印刷機「Rapida 106X」をdrupaで発表、期間中に北イタリアの印刷会社I.G.B.社に販売された。また、世界の紙幣印刷機の80%はグループ会社であるケーニヒ&バウアーバンクノートの製品であり、VariJET106は、こうした同社グループの幅広い製品ポートフォリオからモジュール設計されている。ダブルコーター・トリプルコーターシステム、引き針のない見当装置システムSISなどのオフセット印刷の技術が採用されているため、デジタル機であっても市場のパッケージ印刷に関する仕様要求、品質要求に妥協は必要ない。またパッケージ用途でのインクジェット機にとって、重要な役割を担う品質検査カメラの技術は、紙幣印刷機のノウハウを取り入れたものである。

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ディエトマー・ヘイダック・セールスディレクター(右)とデジタルプリンティングソリューションのマイク・ルービン氏


印刷業界初のAIチャットボットKyana Assist


 ケーニヒ&バウアーは、drupa2024で公開したmyKyana(マイキヤナ)ポータルが、オフセット印刷機を含むすべてのデジタル製品の中心であることを示し、デジタル化が如何に企業の効率性、生産性、持続可能性を高めるかを印象的に強調した。Kyana Assist(キヤナアシスト)は、印刷業界初のAIチャットボットであり、これにより顧客は「Kyana」と直接対話し、待ち時間なしで直接サポートを受けることができる。今後の印刷産業界のAI活用事例としてdrupa来場者にも大きな反響を呼んだ。

 このAI技術は、VariJET106と連携することが、すでに開発スケジュールで決まっており、ケーニヒ&バウアーのデジタル化担当副社長、サンドラ・ワグナー氏は以下のように強調している。

 「drupaでは、伝統的な印刷と最先端のAIおよびデータベースの技術の組み合わせが、印刷業界の未来をどのように形成しているかを示した。お客様との数え切れないほどの話し合いの中で、生産を飛躍的に向上させるデジタルツールが、お客様が当社の技術に投資する決定的な要因になるという確信が持てた」

 drupa会場でケーニヒ&バウアー・ダースト社は、Highcon(ハイコン)社とともに、印刷から後加工までの完全デジタル生産ワークフローの実演を行った。今後もケーニヒ&バウアーは、積極的にデジタル製品とともにデジタルソリューションを市場に投入していく考え。

【VariJET106機械仕様】

▽最大用紙サイズ...740×1,060ミリ
▽最小用紙サイズ...500×750ミリ
▽用紙厚...0.2〜0.8ミリ
▽印刷速度...5,500sheets/h
▽出力解像度...1,200×1,200dpi
▽色数...7C機 CMYK+オレンジ、バイオレット、グリーン(4C機をオプション設定)

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