小林クリエイト、BPOを中核とする企業への変革を目指す
国内屈指のサービスビューローとして、通知物のデータ加工から帳票出力・加工業務などを行う小林クリエイト(株)(本社/愛知県刈谷市小垣江町北高根115、小林友也社長)は、通知物を製作するだけのBPSから脱却し、より広い領域でアウトソーシングを受託するBPOを中核とする企業への変革を目指して挑戦を続けている。そんな同社が、小ロット通知物の封入・封緘に活用しているのが、ピツニーボウズのインサーター「Relay8000」だ。5年前の東京情報処理センターへの設置に続き、昨年にはDMT Solutions Japan(株)を通じ、中部情報処理センターに2台目を導入した。小ロット案件を素早く効率的に処理できるインサーターとして効果を発揮している。
5段階のグレードによる徹底したセキュリティ管理を実現
同社は1937年に創業し、1944年からビジネス印刷物の製造に携わってきた企業。現在は愛知県刈谷市の中部情報処理センター、東京都大田区の東京情報処理センターの拠点を中心に、BPSを事業の中核として、個人情報を含めた受託プリントサービスを提供している。
全国二拠点の情報処理センターでは、セキュリティ、プライバシー、品質管理に関する各種認証を取得しており、安心、安全なサービスを提供している。また、ISO14001の認証を受けるなど、環境にも配慮している。
そして、個人情報を取り扱う上でセキュリティを特に重要と考えている同社の取り組みとして特長的なのは、5段階のセキュリティグレードに応じた対策をそれぞれ設けていることだ。
グレード1は、同社の従業員であれば誰でも入ることができる共用のスペースで、記録紙やビジネスフォームの製作などを行っている。
グレード2からは、セキュリティエリアとなっており、グレード1とは区別して入室制限を設けている。グレード2ではセキュリティエリアへの入室者について、入退室の記録と所持品の確認を行う。グレード2での確認を経て入れるグレード3は、帳票のプリントや封入・封緘、圧着などの加工処理を行う作業エリアとなっている。
グレード4は、データの送受信や編集を行う場所で、グレード3よりもさらに厳しい入室制限がかけられている。このグレード4の入口には静脈認証が取り付けられており、あらかじめ生体情報を登録している作業者のみが入室できるという非常に高度な入室セキュリティを備えている。そしてグレード5は、データの保管エリアとなっており、従業員の中でもごく限られた人間だけが入室できる非常に厳しい制限がかけられた部屋となっている。
これら5段階のグレードによるセキュリティ管理に加えて、同社ではグレード4以上に所属する従業員の作業服を色分けすることで「視覚的」にも入室資格のない人間がセキュリティエリアに入室できないように工夫している。
同社取締役の岡本壮司氏は、「『共連れ』により入室資格のない人間が一緒に入ってくることを防ぐため、セキュリティエリアで着用するネックストラップの色はオレンジにしており、一般の紺色と区別している。我々のような管理者でも、通常は紺色のストラップだが、セキュリティエリアに入るときはオレンジ色のストラップをつけるようになっている」と説明する
また、同社執行役員・BPS生産本部長の中根章氏は、自社のセキュリティ体制について「作業内容とセキュリティ上のリスクに応じた管理を実現している。また、セキュリティエリアでは入退室や移動経路に監視カメラを配備し、常に状況を監視、記録している」と話しており、これによりクライアントから預かった情報を厳重に管理しているという。